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2015/04/24

タゴガエルとナガレホトケドジョウの谷で(動画)



 セミ生のMくん、Iさんと一緒にナガレホトケドジョウの調査に行った。

 もちろん上の写真はナガレホトケドジョウではない。ナガレホトケドジョウの谷で出合ったタゴガエルだ。一番目の写真が雄で、二番目のの写真が雌だ。雄の特徴は、太い前肢だ。
 そう、ちょうど先日(4月19日)は、タゴガエルの繁殖シーズンで、雄は谷川の両脇の石や土の隙間で、振り絞るような、なんとも切ない声を出して雌に求愛している(音入りの画像を添付しているので見て、聞いていただきたい。谷川の水音がなんともすがすがしい)。

 通常は、雄が求愛する穴の中で雌は産卵するのだが、先日は、谷川の中ほどの石の上に、タゴガエルのものと思われる卵塊の一部が付着していた。下の写真である。 


 以前、ゼミ生のMくん(今日のMくんと同一人物)、Yくんと一緒に、先日行った場所と同じ谷川にナガレホトケドジョウの調査に来たときのことだった。水中にあったタゴガエルの卵を、ナガレホトケドジョウの卵と勘違いして、「おおーっ、ナガレホトケドジョウの卵をみつけた!」と盛り上がったことがあった(正直に言うと、“私が”盛り上がったことがあった)。

 言い訳をするわけではないが、タゴガエルの産卵期とナガレホトケドジョウの産卵期とはかなり重なり、外観も似てるといえば似てるのである。

 MくんやIさんには、調査地の谷川のナガレホトケドジョウのほとんどを個体識別して、彼らの、谷川における移動の実態を明らかにしてほしいと思っている。もちろん産卵場所の特性なども含めてだ。


 ちなみに、ナガレホトケドジョウの個体識別は、腹側の血管や筋肉の走行によって行う。そのパターンが個体ごとに一定しているのだ。




これまでMくんが、その谷川で“戸籍謄本”登録をしてきたナガレホトケドジョウの住民は50個体ほどだという。
 その日、Mくんに、この谷川に全部で難個体くらいいると思う?と聞いてみた。ちょっと考えた後、「100個体くらい」という返事が返ってきた。

 その時のMくんの顔がきっぱりしていて、私はなんだか頼もしさを感じてうれしかった(でも、私は、200はいると思っている)。