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2015/05/18

NくんSくんのスナヤツメの生態研究に期待する!



細くて体の前側の腹部(ここに鰓がある)が赤い個体が幼生で、大きくて、眼がぎょろっとした個体が、幼生が変態した成魚である。眼の後ろに7つの穴(鰓穴)があり、それを眼とみなして、ヤツメと呼ぶ。

 先日、ゼミの学生のNくん、Sくんと、スナヤツメがたくさん生息する、大学の近くの水場に行った。
 
 そこは、排出樋門(川から田んぼなどに引いた水を、また川に戻す出し口)の前の水場で、湧水も混じって、スナヤツメにとって好適な条件が揃っているのだ。

 ちなみにスナヤツメの語源は、幼生(魚ではとても珍しいのだが、幼生期と変態後の成魚期の両方をもつ)は、3年ほど砂の中で過ごすことによる。ヤツメの語源は、上の写真を見ていただきたい。
 河川改修などに伴い、絶滅が危惧されている貴重な魚類だ。

 水場に行ったのは、スナヤツメの幼生が、水底の砂の、どれくらいの深さで過ごしているかを調べる実験の試行のためだった。

 されぞれがアイデアを出し、苦労して考案・試作した装置を、水底の状態を、あまり乱さないようにしながら埋め、そこにさまさざまな体長のスナヤツメを放したのだ。

 その装置を使って調べることは、水底の砂の状態を乱さないで、深さ別に層を切り出し、スナヤツメがいる層を明らかにするということだ。もちろん各層の、溶存酸素量、砂の大きさの割合、含まれる枯葉断片の量なども調べていく。


試作品のでき?

 うー、もちろん改良点はたくさんあったが、基本的には、いけるんじゃない。
 結果は、二つの層でスナヤツメが見つかった。

 試作品を改良して、作業を続けていけば、季節的変動や体長との関係なども含めて、スナヤツメの生物学的生態特性や生息地の保全のための価値ある知見が得られるかもしれない。

 NくんやSくんなら、きっとやってくれるにちがいない。やってくれると思う。やってくれるんじゃないかな。