Pages

2015/08/27

一人ぼっちで大学に残るコシアカツバメ


 上の写真は、大学の玄関に一羽だけ残っているコシアカツバメである
私の目に狂いがなければ(狂っている確率は約50%)、この個体は、今年生まれた、まだ子どものツバメである。
なぜ親たちについて大学を離れなかったのか?・・・その理由が私には分からなくて、このツバメの近くを通るたびにいつも思ってしまう。
とにかく。かわいそうに思えてならないのだ。

「かあちゃんや父ちゃんはどうしたの」、さすがに、近くに人がいることが多い玄関先なので声には出さないが、そう声をかけずにはおれないのだ。

このツバメは、親たちが玄関の壁に作った巣で子育てをはじめてから、そのままここにい続けたわけではない。コシアカツバメたちが大学からいなくなってしばらく月日が経ったある日、突然あらわれ、それから、もうかれこれ10日以上、玄関にとどまっているのだ。
もちろん餌はどこかで食べているのろう。

私の密かな推察は次のようなものである。

このツバメの子は、親たちや仲間たちと一緒に、秋に南に向うときのための準備に、大学を離れ、河原や草原を移動していたのだが、強い風雨に見舞われはぐれてしまったのではないだろうか。

そしてこの子は、親たちの場所が分からなくなり、そんなときに思い出した、自分が巣の中で育てられた場所、つまり大学の玄関に帰ってきたのではないだろうか。

私の予想では、やがてこの子ツバメの体の中で変化が起こりはじめるに違いない。その変化は脳を介して子ども言うに違いない。
「南に向え!」と。

そして子ツバメはおそるおそる出発するだろう。南に向って。
おそらくに厳しい旅になるに違いない。でも頑張って旅を続けていれば必ず仲間の群れに遭遇するはずだ。
そうしたら彼らと一緒に旅を続ければいい。

そして子ツバメは赤道付近の島で半年を過ごして成長し、来年戻ってくるだろう。再び、ここ、大学の玄関に。

いい話だ。

きっとそうなるだろう、私の目と頭に狂いがなければ。