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2015/10/30

行方不明だったアオダイショウとSくんの出会い

脱走したアオダイショウと見つめ合うSくん.ヘビの魔法にでもかけられたかのようにとろーーんとした眼差しをしている.

 前回の記事Hさんがゼミ室に置いている飼育容器から、アオダイショウの姿が消えたことはお話しした。

 そして先日、実験の準備をしていた私にSくんから電話がかかってきた。
 「先生、水槽の横にアオダイショウがいるんですけど。」

 怖がっている感じが伝わってきたので(それとこの機を逃すともうアオダイショウは見つからないだろう、という気がしたので)、私は、「すぐ行く!」と返事をして、ゼミ室へと向かった。

 Sくんが指し示す場所に目をやると、確かに、アオダイショウがいた。
 水槽の横に、かわいい顔をぬっとのぞかせていた(下の写真)。



でも、普通の人が突然、この場面に出くわしたら、きっと結構な怖さを感じるだろうなー、と思った。後でSくんが「心臓が止まりそうになるくらいびっくりした」と言ったが、それも納得できる。

私は、その場面にとても感動して写真を撮っていたら、さすがにアオダイショウは水槽の背後に後退し、水槽と壁の狭い隙間を移動しはじめた。

 面白かったのは、水槽の中の魚たちが、最初は驚いて逃げるような行動をとっていたのだが、それから、興味津々で近づいていき、アオダイショウの顔のあたりをじーっと見ていたのだ(下の写真)。



 このあと、私はSくんと協力して、無事アオダイショウを捕獲し、飼育容器に返したのだった。

 Hさんは、今、大阪に行っているが、帰ってきたら、「Sくんにランチをご馳走してあげなさいよ」と言おうと思っている。
 偶然とはいえ、Sくんの行動はそれだけの価値があるのだ。私にはよくわかるのだ。