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2016/03/15

ブラックスワン 黒鳥はなぜ黒いのか

オーストラリアネタを今日も一つ.

下の一番上の写真は、私がゴールドコーストの、とある湖で出会った黒鳥、いわゆるブラックスワンである。一人でゆっくりと泳ぐその後ろ姿は、どこか女性の憂いを感じさせて、思わず涙しそうになった(わけはない)。でも、繊細な野生の感覚に満ち溢れた私には(うそぴょーーん)、実際、心、が締め付けられる思いがした。

ところで、動物の体色にはそれぞれ、生存・繁殖に役立つ意味がある(もちろん生物現象だから例外もあるが)。

たとえば海鳥の多くが白色なのは(特に腹側が)、海上で魚を狩るとき、もし黒色だったら、水の中から空を見上げた魚に発見されやすく逃げられやすいからだと考えられている。魚が見上げた空は白く、その白さの中に、海鳥の白さが混じれば、海鳥は攻撃直前まで見つかりにくい、というわけだ。



さて、ここからが私の仮説だ。
白鳥は雪のある場所で過ごすことが多く、捕食者から発見されにくいために白い。同時に、求愛の時、くちばしの付け根のあたりの黒が、顔を含めた体の白さとのコントラストでよく目立つ。彼らは求愛の時にくちばしの付け根の”黒”を信号として使っているに違いない。

一方、黒鳥はどうか。彼らは渡りもぜず、亜熱帯気候のオーストラリア内で過ごすため、雪を背景に立つことはない。むしろ彼らにとって大切なのは、異性へのアピールになるくちばしの付け根だ。その色は・・・・赤だ。そしてその赤を一番よく目だたせてくれる色は、・・・・黒だ。

それはグンカンドリの、求愛時に膨らませる赤いのど袋と黒い体との組み合わせが進化したのと同じ現象かもしれない。

ふむ、なにやらそれらしい仮説に聞こえるではないか。


※白鳥の”くちばしの付け根”とグンカンドリの”黒い体と赤いのど袋”については、ネットか何かで調べてみていただきたい。