小林朋道公式ブログ:動物行動学者。野生生物と3日ふれあわないと体調が悪くなる。 主な著書は『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 』、『通勤電車の人間行動学』、『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇』など
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2016/05/07
再びダンゴムシのルーティンと未知の植物.自然は意外性に満ちている
ダンゴムシのルーティンは続いている(そりゃそうだろ、だからルーティンと呼ぶのだ)。
上の写真の右上あたりに正座して瞑想しているようなダンゴムシが見える。
さて、目を左に移すと(ソンナオオゲサナ)、そこに何か、白い球とその上に突き出した黄緑色のループ状の構造物が見えないだろうか(ミエルニキマットルジャロガ)。
はたしてこれが何者か。皆さんはお分かりになるだろうか。
えっ、お分かりにならない!
そうでしょう、そうでしょう。私にも分からないのだ。
突然、姿を現したのだ。
植物であることには間違いない。そして下側の白い球が栄養を貯めた子葉(大豆の、われわれが食べる部分と同じもの)であることも確かだろう。
でも、この植物が一体何者なのか。そしてミニ地球が誕生してかなりの年月が経った今になって出現してきたのか・・・わからないのだ。
心なしか、ダンゴムシにも動揺の色が見えたりして。
この、赤道付近に突然現れた巨大植物、今後、どんな姿に変化し、ダンゴムシを含めたミニ地球の生態系にどんな影響を与えるのだろうか。
ちなみに、下の写真は、別なミニ地球で、地球誕生後2か月ほどして突然現れたハチ(寄生蜂の一種)である(この方の餌はミニ地球には存在しないので、地球から出ていただいて、宇宙空間に解き放してあげた)。
たとえそれがミニ地球であっても、自然は、何が起きるかわからない。自然を散策するときの大きな大きな楽しみの一つはこれなのだ。
自然は意外性に満ちている(その面白さを全く欠いて、ただただ技術だけに頼ってさなれた研究よりも、意外性から出発した創造性を含んだ研究をずっと高く評価する)。