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2016/08/31

芦津モモンガショップ 再開!




ちょっと前に(かなり前?)に、「モモンガのグラス」をモモンガショップで売り出します」と書いてからはやいくとせ。

やっと、いままでダウンしていた「芦津モモンガショップ」が再開されました(ちょっと地味ですが)。
地域活性化を通して、ニホンモモンガやヤマネ、ニホンリスなど、希少野生生物の生息地の保全を進めたいという芦津モモンガプロジェクトの一部が「「芦津モ モンガショップ」です。

この画面の右の上、「最近の人気記事」の上に、空を軽やかに滑空しているような感じで(さりげなく)「芦津モモンガショップ」というタイトルがあるでしょ。そこをクリックして来店してください。「モモンガのグラス」はモモンガ雑貨の最後の方に陳列しています。

まずはコツコツ再開です。

2016/08/30

ヘビーな話の次は.

ヘビーな話の次は、スカッとさわやかな画像を一つ!

ヘビに完全に食べられなくてよかったよ。食べられていたらこんな光景も見られなかったもんね。

ただ今、引越し中 その5  私の腕を食べようとしたヘビ.いやほんとに!




最近ヘビのネタが連続して恐縮だが、今日のはちょっと、ほんとヘビーな話だ。
なにせ、ヘビが本気で私を(正確に言えば私の腕を)食べようとしたのだから。

引越しの合間に、コウモリの対捕食者反応を調べるため、ヘビに餌をやりながら肛門腺分泌物の臭いを取ろうとしていたら、事態が思わぬ方向に進みだした。

私が手にもって与えた鶏肉の断片を食べてしまったヘビは、まだ食べたいとばかりに、こともあろうに、今度は私の腕を食べる動作に入ったのだ(けっして攻撃ではない)。
まー、下の動画を(ちょっと長いが最後まで!)見てほしい。ちなみに動画のあと何とかかんとかヘビに、私を食べることを諦めてもらって、腕を見たら、歯の跡の部分から血が出ていた。

マジで私を食べようとしてたわけだ。
でも、君、やっぱりちょっと大きすぎだよ、やっぱり。





ただ今、引越し中 その4 私はヘビを細切れにした!


引越しは、仕上げの段階になってからが大変だ、とよく聞くが、確かにそこらじゅうに隠れていた小物が次から次へと現れ、なかなか減ってくれない。

ところで、今日、低いテーブルを持ち上げると、下に上の写真のようなかたが突然現れた。鱗までしっかり作られたヘビで(腹側も実物に似せてよくできている)、一瞬、私の心臓は強く拍動した(要するにドキッとしたのだ)。

ああ、そういえばこんなものを買ってきたことがあったなー、と思い出し、断捨離しようと、3階のゴミを捨てる場所に持って行ったのだが、そこで、思いやりあふれる私の脳は考えた。

このまま燃えるゴミの箱に入れたらどんなことが起こるか。
ゴミを集める人が、突然、引き出したゴミ箱の中でこんなものを発見したら・・・・・。

そこで私は、ゴムでできたこのヘビを、下のように細切れにして、目も切り取って、それからゴミ箱に捨てたのだ。


さて、他のゴミもすべてしっかり分別し、また片付けに研究室に戻ろうとした私の●●な脳に、またある思いが湧いてきた。

こんなに思いやりのある行動をしたのだから、これをブログで多くの方々に周知しないてはない。・・・という思いである。

それはそうだ。脳はそう答え、またゴミ捨て場に引返し、箱の中から細切れにしたヘビの断片を拾い集め、目も糊でくっつけ、そして写真を撮ったのだ(そうしないとブログに書けない!)。それが冒頭の写真なのだ。
ゴミ箱の中からはすべての断片が拾い出されたわけではなかった。どうしてもいくつかは残ってしまった。だから写真のヘビ、ちょっと体が短くなってしまったのだ。


2016/08/28

やがては有機体生物ではない金属生物が地球上にリアルに増えはじめるだろうけれど




最近、ヘビの姿だけに強く反応する神経回路がサルで見つかっている。

そんなヘビ専用回路がヒトの脳内にも存在することはまずまちがいない。ただし、その回路は、生まれつきすぐに動き出すわけではなく、ヘビについての写真や映像(もちろん本物も)などを見聞きすることによって、潜在的だった存在が活性化していくのだ。

だから親がヘビを手にもってゆっくりと穏やかに話しながら幼児に近づけても子幼児は怖がったりはしないのが普通だろう。

でも、繰り返すが、ヘビ専用回路がヒトの脳内に存在することはまず間違いない。少なくともヒト本来の生活環境である狩猟採集生活の中にあっては、ほぼすべての個体のヘビ専用回路が活性化し、そういう個体のほうが生き延びやすかったと考えられるのだ。

私の脳のなかにもヘビ専用回路は存在する。そしてもう不可逆的に活性化している。だから山などで突然ヘビがとび出してくると心臓がドキッとする。

でも私は学習によってヘビについての知識を大脳にたくさん蓄積しいるし。また、ヘビ専用回路ど同様な様式で脳内に遺伝的、潜在的に備わっている動物の習性を知ろうとする回路(そして動物を捕獲したいという回路も)や、形や動きの美しさを感じるような回路もかなり活性化しているので、それらの知識や回路がヘビ専用回路を抑え込むこともある。いやほぼいつも抑え込む。

下の動画は、実験に使うアオダイショウに餌として鶏肉の切り身を与えているところだ(冷凍マウスを与えるマニアの方もおられるが私には無理だ)。

ちなみに、ヒトではのどの奥のほうにある気管(酸素を肺に送る管)の入り口が、ヘビではずっと前の方にある。動画の中ほどで、上の写真のように、入り口が酸素を取り込もうとして開口しているのがお分かりになると思う。

ヘビは大きな獲物を丸呑みにしていく戦略をとるので、気管の入り口が長時間、餌でふさがれないように開口部が前方にあるのだ。

ところでタイトルの「やがては有機体生物ではない金属生物が地球上にリアルに増えはじめるだろうけれど」についてだが、ここからその話題(AI:人工知能や人工生命の話)に写る予定だったが、長くなりすぎるのでまたの機会に。結構、ヘビーな話だ。




2016/08/26

ただ今、引越し中 その3 ああ!あのアカネズミはここで成長したのか!


研究室の引越しもいよいよ終わりに近づいてきた。

今日はゼミ生のYくんに手伝ってもらい、これまで荷物に埋もれて引き出せなかった机の”引き出し”を引き出すことができた。

そして、一番下の引き出しを開いたとき、私は、脳の記憶の中から、5年以上前に起こった一つ出来事を思わず引き出したのだった。

その思い出とは、こうである。

成獣になり切っていない実験用のアカネズミが研究室に置いていたケージから逃げた。しかし私は慌てなかった。なぜなら、ネズミ用のすぐれもののトラップ(罠)があったからだ。
長細い罠の一方の端に餌を置く → ネズミがもう一方の端から餌を食べようと入り餌の場所まで行く → 餌の場所は、ネズミが乗ると、その重みで少しだけ下がる. → ”もう一方の端”の扉が閉まる → ネズミは閉じ込められる = 罠にかかる。・・・という仕掛けである。

ところが何日過ぎてもネズミはかからない。しかし餌はしっかり食べられている! なぜだ!?

やがて賢い私は気づいた。成獣になり切っていないから体重が軽く、餌の場所に乗ってもそれが下がらず、扉が閉まらないのだ。

どうするか?・・・太らせるしかない!

それから、新鮮な水はもちろん、栄養価の高い、アカネズミが好きそうなものをせっせと研究室の床に置き続けた。そしてそれから数週間してアカネズミは成長し罠にかかったのだ。めだたしめでたし。

そして今日、見た上の写真の中の紙屑は、そのときのアカネズミがねぐらにしていた巣に違いないと思うのだ(引き出しは、実質的に引き出しではなくなったのは5年以上前だったのだ)。

ああ!あのアカネズミはここでは成長したのか!

ちなみに、野生のアカネズミは下のような感じで巣をつくる。



Tさん、そりゃネーミングが悪いよ。


少し前のことだが、Tさんが「ケラ(オケラとも呼ばれる、あの昆虫)を是非飼ってみたい」と言っている、という話をMさんから聞いた。

そのときすでに私は、大学の廊下で出会った一匹のケラを飼育して観察していた(ケラは土の中に卵型の空間を作り、そこへ卵を産み、大切に世話する!土のなかは菌類や肉食性動物をはじめとして危険が多いのだ)。

ところが不思議なことに、Mさんからの話を聞いたすぐ後、野外ではなかなか見つけることができないケラにまた大学の廊下で出会った。そしてそのすぐそばにMさんがいたのだ。

さっそく私はMさんにケラを託し、Tさんに渡してもらうように頼んだ。飼い方についての知識もセットで。

Tさんはケラがたいそう気に入ったようで、プラスチックの飼育容器に入れて持ち歩き、出会った人に、「テンシという名前なの」と説明していると聞いた(ただ、テンシちゃんは土の中にいて容器の外からはだれもその姿を見ることはできなかった、とも聞いた・・・・)。

先日、そのTさんに会う機会があったので、「ケラは元気?」と聞いたら、なんと容器の中からいなくなったという。「どうしていなくなったのかわかりません。出るような隙間はないのに」。どうしても腑に落ちないような様子だった。

でも私は思ったのだ。そりゃTさん、ネーミングが悪いよ。テンシ(天使)は自由奔放だ。容器の隙間を通り抜けることなど簡単だ(本当は、容器の隙間ではなく、Tさんの心の隙間を通り抜けたのだろうと思う。餌やりのときなどにTさんが蓋を開けたときにできた隙間からサッと出て行った可能性が高いと思うのだ)。

上の写真は、今私が飼育しているもう飼いはじめてから一か月以上になるオケラだ。丸々太って元気だ。でも巣をつくって産卵する様子はない。♂だったりして・・・。

ちなみに下の写真は(写真では見にくいが)、土の中でトンネルを掘っているケラだ。


2016/08/21

車の行き交う夜の道路で、横断歩道を渡るカニがいた!


あなたは、車の行き交う夜の道路で、横断歩道を渡るカニに出会ったことがあるだろうか。

私は、もちろん、ある。

今日である。生まれてはじめての体験である。
大学から帰る途中、国道9号線(!)に出る交差点で、赤信号で止まっていたら、目前の横断歩道を、小さな生き物らしきものが横断しているではないか。

私はそれがすぐ、カニだ、と分かった。私くらいの研究者になるとわかるのだ。下の写真の中央ちょっと下の白線の上の黒い点だ(その”黒い点”を拡大したのが下のその下の写真だ。明らかにカニだ)。私は写真を撮って、すぐさま助手席の後ろに置いている昆虫採集用の網をもって車から飛び出した。
もちろんいくら横断歩道とはいえ、ヒトの運転手が「カニが歩行中だな」と言って車の止めてくれることはまずない。
カニを助けなくては!



そして私の見事というほかない網さばきで助けられたカニを、車の中でよく見てみると(私がカニを救助して車に乗る前に信号が青になり、私の車の後ろにいた車にクラクションを鳴らされた。私は平身低頭で車に乗りこみ出発した)、それはなんと、スナガニだった。それが一番上の写真だ。明らかにスナガニだ。

私はなんでこんなところにスナガニがいるのか、にわかには信じられなかった。
スナガニについてご存知の方は、私の気持ちがお分かりになるだろう。

でもとにかくスナガニだ。どうする。

そのとき私の頭に浮かんだのは、その場所の近くが、私がフィールドにしている海岸だ、ということだ。鳥取港の近くだ。そしてその砂浜にはスナガニがたくさん暮らしている。

ちょうどいい。久しぶりに夜の砂浜に行ってみるか。

最近、体調が最悪でもありちょっときついかなーと思ったが、逆になんだか行ってみたくもなった。
体調の悪い時の苦しさを乗り切る何かがひょっとするとあるかもしれない。スナガニも行きたそうな顔をしていた。

そして下の写真が、その砂浜だ。
”何か”はなにもなかった。遠くに光るイカ釣り船の灯りと、埠頭の赤く点滅する明かりとが打ち寄せる波の向こうにあった。

スナガニは砂浜を勢いよく駆けていった。






2016/08/20

ニホンモモンガは巣の中でこんなふうにしては眠る


野外にとりつけた巣箱の中で、日中、眠るニホンモモンガの姿をはじめて映像に収めた!

そんな大げさな。

いや、でも本当なんだ。
前方の、閉じられた大きな目、体の姿勢、尾の状態、そして杉の樹皮の繊維で作られた巣材。君たちはこんなふうにして眠っていたのか。

ちなみにシベリアシマリスは体を横に寝かせて丸まって眠る。


2016/08/18

ただいま引越し中 その2: モモンガのザックとコウモリのザック


引っ越しで、あっちのものをこっちへ。こっちのものをあっちへ・・・・と動かしていたら、いつもは出会わない二つのものが並んだ。上の写真だ。

赤いザックはモモンガの調査で使うザックで、中にはモモンガ調査に必要な七つ道具が入っている。

黒いザックはコウモリの調査で使うザックで、これまた、コウモリ調査に必要な七つ道具が入っている。洞窟で落石があり外に出られなくなった時を想定して非常食も入っている(ウソだ)。
洞窟の中を引きまわされているので、赤いザックよりくたびれた感じで、表面に土がついているのがお分かりになると思う。

でも、モモンガザックはモモンガザックで、大変な苦労を共に耐えてきたのだ。

こうして二つが並ぶと、何やら誇らしく思える。

ちなみに、イモリザックというのもある。青色で、コウモリザックやモモンガザックより一回りか二回り小さい。

2016/08/17

ただ今引越し中 その1: これは地層だ!



新しく実験研究棟が完成したので、8月中に現在の研究室からそっちの研究室に引越ししなければならない。私は、仕事の合間にちょこちょこミニ引越しを毎日続けているのだ。「小さなことからコツコツと」・・・これが私の人生訓の一つなのだ。つい最近、人生訓に加えた。

と、いうわけで今、現在の研究室は大変なことになっている。

部屋にあるものを上から順々に取って点検し箱に入れていくわけだが、今日は二つ重要な発見があった。

一つ目。
上から下へと、年代をさかのぼる資料や物品が出てくるのだ。そうするとついつい思い出に浸ってしまうのだ。「そうそう、このころは受験生用にこんなパンフレットを作ったなー」、「そうそう、このころはこんな学生実習で頑張っていたなー」・・・みたいな。
そして私は気づいたのだ。
これは文化的”地層”だなー、と。

そして”地層”らしく、その中から存在を忘れかけていた「木の化石」が出てきたのだ(すべてが木ではなく石の中に化石化した木の枝だ埋まっているような感じ。年輪も見える)。
これが二つ目の発見だ。



「木の化石」が見つかったのは2005年の”層”であり、ある思い出が浮かんできた。
この化石、学生たちと大学の山を歩いているとき見つけたのだが、持ち帰って研究室の机の上に置いていたら、翌日、たくさんのアリが机の上をはっていた。つまり、化石の中にアリの巣があったらしいのだ(ほどなく巣の入り口も発見された)。

私は近くに水や餌を置いて、アリたちの”暮らし”をずっと見つめていた。一つの生態系を見つめるようでそれはもう感動的だった。
数か月続いた感動の日々も、私のちょっとしたミスで終わりを告げたのだが、その化石が発掘されたのだ。

もちろんアリはいなかったが、代わりにクモが一匹、石にへばりついていた。あまり感動的ではなかった、と言ったらクモに悪いか。

ガラスの上のモモンガ


上のようなモモンガ・グラスを作ってみた。慣れてきたので20分程度でできた(でもしっかり彫り込んでいる)。

今はネットショップ(モモンガショップ)がダウンしているが、近々、智頭町芦津の方が作ったモモンガグッズに混じらせて上のようなものもグッズとしてアップするので(アップしたらここでも告知します)、立ち寄っていただきたい。

モモンガ・グラスで水分を摂ったら滑空するモモンガのように風を体に感じて爽快感も格別かも。

2016/08/16

肉眼でポケモンに出会った!?マンキ―のようでもありニョロゾのようでもあり。


ある調査で山へ行ったら、前方にポケモンらしきものがいた!

私はモンスターボールなど持っていないので、単なる石を拾って投げたが当たらず、ポケモンは私をあざ笑うように岩の下に入っていった。
ウソだと思うなら上の動画を見てみなさい。

マンキ―のようでもありニョロゾのようでもあった。

ポケモンGOはまさに狩猟採集だね。私の脳は強く反応して胸が熱くなった(病気だろうか・・・)。

不満げなシマリスとそれなりのモモンガ



ケージに中の2種類のリス:

実験でときどき外に出してもらっているモモンガはそれなりに機嫌のよい顔をしている。
いっぽう、シマリスの方はカメラを向けると巣箱の後ろに隠れ、かなり(!)不機嫌そうな顔でこちらを見ている。あまり外に出してもらえないからだろうか。

じゃあ、そろそろヘビとの対面実験をやるか。
よけいに不機嫌になったりして・・・・・。

ところで、上の写真の中央あたりに、下から伸びている動物の尾のようなものは何だろうか?
よく観察すれば分かるはず。

2016/08/15

シャンシャン祭りと爬虫類カフェと虹の解体

昨日は鳥取駅前でシャンシャン祭りがあり、いっぽうで、その会場(道路)に面した建物の一室で生物部による爬虫類カフェがあった。

私は後者の関係で建物の中で仕事をしたり、シャンシャン祭りで鳥取環境大学の学生の連に声援を送ったり・・・などといった一日を過ごした。一日の終わりは大学に戻って、動物たちの様子を見ながら餌を与え、大学でなければできない仕事をやり終えた。

シャンシャン祭りの関係で鳥取に帰ってきていた卒業生たちと出会い、また爬虫類カフェで、日頃はあまり話したことのない学生たちと話し、私はつくずく思ったのだ。

ホモサピエンスは他個体(血縁個体や非血縁個体の両方)との相互協力の中で生きる習性を強く備えた動物である。

お互い友好的に接することができると・・・・うれしい。特に、一瞬ではあっても以前、長く接し、久しぶりに会った卒業生たちとの友好的なやりとりは格別にうれしい。

それは、(興ざめかもしれないが動物行動学的な視点から言えば)、自分が認められていることを確認できるから、自分が他個体から協力を得られる可能性を感じさせてくれるから、ということだろう。そういった情報を無意識のうちに脳が受け取るからだろう。

まー、理由は何でもいい。
利己的遺伝子説(Selfish Gene)という言葉によって、動物行動学に起こった革命の内容をわかりやすく世に伝えた(一部では誤解も生じたけれど)世界的生物学者R.ドーキンスは、「虹の解体」(邦訳)という本を書いた。

その本の中でドーキンスが伝えたかった内容とは違うのだけれど。私は最初にその本の題名を見たとき、こんなふうに思ったのだ。

虹は科学的に分析すれば、単なる水滴の集合と様々な波長をもつ光が単なる物理学的な現象にすぎない。それは、一見、”虹”をめぐり人が感じるメルヘンチックな思いに冷や水をかけるような分析かもしれない。でも、虹を見て感じる「きれいだ」という感情そのものは明らかに実在だ。

その「きれいだ」という実感を我々はしっかり味わえばよいのだ。それが、科学で明らかにされるホモサピエンスを含めた生命(最近ではAIも)の実態、と並行して存在するもう一つの実態なのだ。

生物学的に、動物行動学的に、どんな実態があろうが:
お互い友好的に接することができると・・・・うれしい。特に、一瞬ではあっても以前、長く接し、久しぶりに会った卒業生たちとの友好的な会話は格別にうれしい。ノダ

2016/08/14

求愛?闘争?なんでダンゴムシが乗ってるの!?あるいは、動物行動学とは。


飼っているオカヤドカリは暑さで快調らしい(オカヤドカリは熱帯~亜熱帯にかけて生息している。日本では沖縄や小笠原など)。

飼育容器の中を盛んに動き回り、餌もよく食べる。

じーーと見ていると、2匹の個体が上の動画のようなやり取りをはじめた。内部から殻を鋏でこすって出す音も聞こえる。

求愛か、喧嘩か・・・・私にも分らない。まだまだ付き合いが足りないのだ。

ところで、途中から、どこからともなくハマダンゴムシが現れ、一方のオカヤドカリの貝の上に乗り、ずっと居座り続けた。
なんで、どさくさに紛れてあんたが出てくるの!みたいな気持ち。

実は最近、AI(人工知能)や(こちらはずっとずっと前からだけど)意識について考えている。直近では、ポケモンGOにも・・・・。

それがオカヤドカリと関係あるのか?と思われたあなた。よくぞ思っていただけた。
大いにあるのだ。

すべては、ヒトも含めた地球上の野生生物の理解のためなのだ。

たとえば、今あなたが感じている(見て、聞いて、触って・・・・)感覚世界。それは、いわば、オリンピックを一度も見たことがない人が、ラジオで中継を聞いているのと同じような状態なのだ。
実態の断片を、限られた感覚からの情報で感じ取って調整された世界を、「あーこれが世界(オリンピック)の実態のすべてなのだ」と感じているようなもの。

オカヤドカリも、ヒトも、AIも、そういう意味ではみんな同じなのだ。(AIは除いて)それぞれの種に特有な生息世界の中で、生存・繁殖を可能にする、実態からの限られた断片的情報を取り込んで、脳内で世界を作り出しているのだ。
ヒトが、宇宙や素粒子のことをいくら追及しても、その限界から抜け出すことはできない。脳が、取り込むことができるように設計されていない情報は、決して取り込むことはできない。決して。

でも、そういう限界があることに気づくかどうか、これはとても重要だ。本質的な意味で、”実態”へのより深い理解につながるはずだ。オカヤドカリやAIやヒトのより深い理解につながるはずだ。



求愛?闘争?なんでダンゴムシが乗ってるの!?あるいは、動物行動学とは。


飼っているオカヤドカリは暑さで快調らしい(オカヤドカリは熱帯~亜熱帯にかけて生息している。日本では沖縄や小笠原など)。

飼育容器の中を盛んに動き回り、餌もよく食べる。

じーーと見ていると、2匹の個体が上の動画のようなやり取りをはじめた。内部から殻を鋏でこすって出す音も聞こえる。

求愛か、喧嘩か・・・・私にも分らない。まだまだ付き合いが足りないのだ。

ところで、途中から、どこからともなくハマダンゴムシが現れ、一方のオカヤドカリの貝の上に乗り、ずっと居座り続けた。
なんで、どさくさに紛れてあんたが出てくるの!みたいな気持ち。

実は最近、AI(人工知能)や(こちらはずっとずっと前からだけど)意識について考えている。直近では、ポケモンGOにも・・・・。

それがオカヤドカリと関係あるのか?と思われたあなた。よくぞ思っていただけた。
大いにあるのだ。

すべては、ヒトも含めた地球上の野生生物の理解のためなのだ。

たとえば、今あなたが感じている(見て、聞いて、触って・・・・)感覚世界。それは、いわば、オリンピックを一度も見たことがない人が、ラジオで中継を聞いているのとおなじような状態なのだ。
実態の断片を、限られた感覚からの情報で感じ取って調整された世界を、「あーこれが世界の実態のすべてなのだ」と感じているようなもの。

オカヤドカリも、ヒトも、AIも、そういう意味ではみんな同じなのだ。
ヒトが、宇宙や素粒子のことをいくら追及しても、その限界から抜け出すことはできない。

でも、そういう限界があることに気づくかどうか、これはとても重要だ。本質的な意味で、”実態”へのより深い理解につながるはずだ。オカヤドカリやAIやヒトのより深い理解につながるはずだ。



2016/08/12

なんか用?! 食事中なんだけど


上の写真はユビナガコウモリ(雄)である。餌として与えているミールワームを食べようとしている。

「なんか用!?」みたいな感じで・・・・食事を邪魔されて機嫌が悪そう。

餌を入れている容器の側面が縦のストライプ模様なのにはわけがある。
もう一つの容器は側面が横のストライプ模様になっていて、そこには七味唐辛子がまぶされたミールワームが入れられている。

ユビナガコウモリにとっても七味唐辛子は辛いらしく、口に入れると吐き出す。

私の実験は、「ユビナガコウモリはどの程度、物の形が識別できるのか?」を調べるものである。

縦の黒ストライプと横の黒ストライプの容器を並べておき、一方にはそのままのミールワームを、他方には七味唐辛子がまぶされたミールワームを入れておく。そしてこれを毎日繰り返す。

もしユビナガコウモリが形の形態視ができるのであれば、縦の黒ストライプ模様の容器のほうに美味しい餌があることを学習し、新しい、いずれも餌が入っていない縦と横の黒ストライプ模様の容器を置いたとき、前者のほうに近づいてゆくだろう。

さて結果は?

それはまたのお楽しみ。

それにしても、上の写真のユビちゃん、かなりかわいいと思う(ミールワームにひく人もおられると思うが)。



2016/08/11

ブログの”ネタ”として”目”を引いたもの

大学へ行く途中で、ブログのネタを仕入れようと賀露の海産物市場に寄った。

ネタとして一番私の目を引いたのが下の写真のお方だった。

一応、”しゃれ”に近いものが二つあったのだが分かっていただけただろうか。

もう、おやじギャグの領域に入ってしまったのだろうか。




何を思う、駅のキジバト


先日、岡山に行ったとき、駅の2階構内から見かけた光景である。

キジバト(駅と言えばこれまでドバトと決まっていたが、岡山駅ではキジバトまで駅に進出してきているのだ(鳥取駅では見られない光景だ)。

眼下を行き過ぎる、傘を差したホモサピエンスを目で追っていた。

もちろんキジバトが何を考えているのか(キジバトに意識があると前提しての話であるが)私には分からない。

でも近年の以下のような研究結果から、キジバトの思考の一端は類推できる。
”近年の研究結果”とは、例えば「ハトはキャンパスの表面の絵の具のタッチから、セザンヌの絵、ピカソの絵・・・・と、同一画家の絵を一群にして、互いに区別することができる」、あるいは、「ハトは、葉のみとか、幹の一部のみとか根っこの部分とかを、”木”として認識する」等々である。

おそらくこのキジバトは、傘をさしていようが、自転車に乗っていようが、その本体が、ある一つのカテゴリーに属する同一のものであることを確認、あるいは学習しているのではないだろうか。

そして、その認識と、”餌”や”捕食者”などの別な大きなカテゴリーとを、これまでの記憶とともに結びつけているのではないだろうか。

かく言う私も、キジバトの姿を見つめながら、”鳥の思考”という一つの概念を、これまでの記憶とともにまとめ上げようとしているのだ。

ひょっとすると、窓から外を眺めている私を、私の近くからじっと観察しているホモサピエンスとかキジバトがいたりして。

2016/08/09

やっぱり野生はいい。



いろいろ忙しかったのと体調が悪かったので”野生”に行けてなかった。
このままでは”私”が消えてしまう、と思ったので、少々無理をして近くのコウモリの洞窟へ行ってきた。そろそろ実験も再開しなければならないし。

やっぱりいい。

その洞窟は底に結構深い水が溜まっており生息地として条件がよいのだろう。キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリ、ユビナガコウモリ、モモジロコウモリ、つまり鳥取県の純洞窟性コウモリのすべてがいた。

少なくともキクガシラコウモリとユビナガコウモリについては見た個体はすべて今年生まれた子どもだった。

なぜ分かるか?

私くらいになるとわかるのだ。ジョウダン。キクガシラコウモリは体色で分かる。成獣は首回りから背中が茶色っぽいのだ(子どもは黒)。
ユビナガコウモリは、体長でわかる。

母親は子どもたちにねぐらを譲ってどこかへ行ったということか。貴重な記録だ。

底の水に浮いている昆虫の体の一部からコウモリたちが食べたものが分かる。
セミや蛾が多かった。セミはたぶん、キクガシラが食べたものだろう。


洞窟に入るとき入り口にヒキガエルがいるのに気が付いた。
まるで洞窟を守る守護神のように(私は守護神に何度も許可をお願いし、守護神が何も言わなかったのでOKとみなした)。
そして中に入って”はたと膝を打った”(これを読んでいる若者諸君、この表現、分かるかな)。

実はこの洞窟の入り口ではときどきヒキガエルが見られ、「近くの谷川で産卵しているのかなー」くらいにしか思っていなかったのだが、「そうか、ヒキガエルは、洞窟の中の水中で産卵しているのかもしれないぞ」と思いあたったのだ(外れているかもしれない。でも当たっている可能性は高い)。


下山では美しいエビネにも出会い、私のよどんでいた心は少しは浄化されて、ホモサピエンスの居住地へと戻っていったのだ。




2016/08/08

カエルずくし




来る8月19-23日まで、里山生物園スタッフCくんや園長Mくんが中心になって、鳥取環境大学のまちなかキャンパスで「ふるさと鳥取のカエル勢ぞろい」展が行われる。

Cくんは登場してくれるカエルたちや、会場のディスプレーの準備に忙しくしている。
そんな中、カエル展のマスコット的オブジェとしてコバゼミのIさんに依頼していた(らしい)大ガエルが完成したとの連絡があった。

ゼミ室に行ってみて私はちょっと感動した。
なかなかうまいのだ。いいよ!Iさん。

ちなみに、今の時期、まず採集はできないモリアオガエルの成体が、オタマジャクシから誕生しCくんは餌やりに奮闘している。この時期のカエルの餌は大変なのだ。

ところでオタマジャクシから変態して生まれたモリアオガエルの幼体、体色がすでに青色(緑色)だし、成体の特徴の指先の大きな吸盤がしっかりできているのだ。
なんかそういうのを見るとうれしくなるね。

いっぽう、今回のカエル展の目玉の一つになると思われる大きなヒキガエルが飼育容器から脱走した。探してみたら、部屋の隅でじっとしていた。もう少しの辛抱だからミールワームで我慢していてね、と容器に返された。

ところでIさん、卒業研究、がんばろうね。



2016/08/07

”鳥取環”でピーンと来た。ああ、母校愛、いや勤務校愛


上は私が勤務する大学の看板(みたいなもの)だ。

今日(今日は大学のオープンキャンパスの二日目だ)、大学に行く途中で、下のような看板(こちらは押しも押されもしない、いろんな意味で”鉄板の”看板だ)に出会った。

私は、今日は大学は18時から22時まで通り抜け禁止なのかと思った(まー、そこまで言ったら言い過ぎだが、一瞬マジそんな感じ)。

よく読んだら「鳥取環状道路 通り抜けできません」と書いてあった。

”鳥取環”に脳が反応したのだ。ああ、母校愛、いや勤務校愛





2016/08/06

オープンキャンパスの日に出会った、動物をめぐる2つの光景


今日は大学のオープンキャンパスがあった。上の写真はけっして私が虫たちを運んで配置して撮ったものではない。

オープンキャンパスが始まる前に大学構内を歩き、来校者が不快感を示すような虫たちが入っていないかを探しているときに出会った光景である。
そのままにしておいた(!)。

下の写真は、学食での昼食時に、窓越しに見た一瞬奇妙に思えた光景である。
シラカシの木陰に人々が集まっている。白い実験着のようなものを着た人物が演説しているようにも見える。

後で、この人だかりの真ん中にはヤギがいたことが分かった。
つまり、ヤギ部の一種の展示だったのだ。
木陰がもつ魅力が伝わってくる。





2016/08/05

ヤギの爪切り、後(のち)乳しぼり?



上の写真は今日、ヤギの削蹄(爪切り)をしているところだ。

ちなみに、シカは削蹄は必要ないらしい。
先日、ある動物園でシカの実験をさせてもらっているとき聞いた。

おそらく、ヤギの野生種は、歩いていると蹄が自然に削れるような岩場を生息地にし、シカはご存知のように、いくら歩いても蹄は削れないような柔らかい地面の森を生息地にしているからだろう(本来の生息地では、ヤギの蹄は持続的に伸びるくらいがちょうどよいのだ)。

一頭のヤギの削蹄をしていると、他のヤギも「どうしたの、どうしたの?」みたいな感じで寄ってくる。上の写真の右にいるヤギ(コムギ)の表情がなんとも面白い。明らかに特定のホモサピエンスを見ている。


削蹄の後、一頭のヤギの乳を搾った。

子どもでも生まれたのか?
いやそうではない。なぜか出てきたのだ。

まー、そういうことだ。



動物行動学的に興味深いポケモン

昨日から、twitterで、「動物行動学的に興味深いポケモン」シリーズを始めた。

例えば、以下のような感じである。

動物行動学的に興味深いポケモン その2 フシギダネ:
植物と合体して生きるような動物としてリアル世界 では、多くの「ウミウシ」が知られている。植物しか持たない葉緑体を藻類からもらって体内に取り込み、光合成をしてもらうのだ。ほんと、ふしぎだね。

私は年配のホモサピエンスは、若いホモサピエンスのよいところはどんどん伸ばすべくサポートしてあげることが地域や国や世界にとってよいことだと思っている。経済的にも、若者や年配者の精神的な成長のためにも。

たいていの若者が親しんでいる”ゲーム”についても、その中の良さをどんどん認めて、どんどん利用すべきだと思う。

いっぽう、以前から私は、次のようなことも感じてきた。

ポケモンへの人気は、ホモサピエンスの脳に内在する自然とのふれあい願望が、自然とのふれあいから遠ざけられた子どもたちの脳中で、はけ口を求めた結果なのだろう。
ポケモンの中には、自然界の要素がたくさん詰められている。

上の二つの思いが合体して、私は、ポケモンをリアル自然への入り口、あるいは、相互乗り入れのアナザーワールドにしてはどうかと思っている。

だから、動物行動学的に興味深いポケモン・・・・なのだ。


2016/08/04

さすがに、ここまで齧ってそれ以上は我慢したモモンガ


数週間前から実験の出番を待つモモンガが、自分の巣(巣箱)を、入り口の部分からかじり始めた。

私は「そんなことをしたら自分の巣が壊れちゃうぞ」と優しく忠告してやったのだけれどいっこうにやめる気配がない。

これまでの私の経験だと、少なくともリス類は、自分の行為と、それが引き起こす結果とを十分結び付けて解釈することができないことが多く、「モモンガも、これはもう最後まで行くな(つまり巣箱を、一番下の部分が崩れるまでかじり続けるだろうな)」と思っていた。

ところがだ。
上の写真の状態までかじったところで、モモンガは、かじるのをピタッとやめたのだ。巣が何とか機能を保つ最後のところでかじるのをやめたのだ。

私は感心した。
モモンガが、自分の行為の意味が分かってやめたのかどうかは率直に言って科学的にはわからない。

でも私にはモモンガが「そうか、こんなこと続けているとオレの巣が壊れちゃうのか」・・・・みたいな認識を持った、という可能性が高い気がしている。

こういうのを親バカというのだろうか。

2016/08/03

生物、いや生物のイデアが新しい研究室に移動する


新しい研究実験棟が完成し、そこを利用する教員は、研究室の引越しをすることになった。私もその一人である。

事務局からは、8月の終わりに業者も頼んで引越しをしましょうと言われているが、私は、毎日、少しずつ新しい研究室に運んでいる。小さなことからこつこつと、である。

上の写真は昨日運んだ”動物”である。
窓からは、向こうにヤギの放牧地が見えなかなか良い場所であり、そこに”動物”のオブジェが並ぶと一層いい感じだ。
研究室はけっして私物ではない。でも気分よく働くことは大切だ。”動物たち”がデスクワークが苦手な私を励ましてくれるのだ。

下の”ガラクタ”のようなものはけっしてがらくたではない。
研究室の机の上で私を元気づけてくれていた「ナチュラリストの証明」である。

イノシシの牙やガラガラヘビの尾もある。海由来のカイダコの殻やウニの骨格もある。どれもかけがえのない生物標本だ。

そして生物、いや生物のイデアが新しい研究室に移動するのだ。



2016/08/01

見たくない人はどうぞ見ないで


上の写真は、ヤママユ、あるいはヤママユガと呼べばれる蛾である。

カイコの仲間である。

下の動画は、頭をつつかれたヤママユガが、下の翅の、カッとした目を見せる過程を記録したものだ。
まずは上の翅の穏やかな目で威嚇しておき、もし見つかって攻撃などを受けると、下の翅の”水戸黄門の印籠”でより激しく脅す、というわけである。

「気持ち悪い!」と、見るのを嫌がる人もいるだろう。

もちろんそれはそれでいい。
でも、、いや、それでいい。