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2015/02/19

羽音をたてない蚊!?


カリフォルニア大学サンタバーバラ校の進化生物学者マーリン・ズックの「私たちは今でも進化しているのか?」(2015 文芸春秋)の中に、著者が発見した「わずが5年で進化した鳴かない新種のコオロギ」の話がある。

鳴き声を手がかりにして宿主を見つけ出す寄生バエが猛威を振るう中で、それまでの、鳴き声で雌コオロギに求愛してた雄コオロギが、鳴かない雄になった、という内容だ。

“鳴かない”というのは、もちろん雄の意志でそうしているのではない。遺伝子の突然変異の結果、翅の、音を生み出す部分が「櫛状」から「平ら」になり、鳴くときと同じように翅を動かすのだけれど、音が出ないということである。
 求愛は、鳴き声とは別の方法で行うようになったのだ。

 ところで、私は、部屋の中や野外の蚊が大嫌いだ。特に、家の中で、蚊の「ぶーん」という羽音を聞くと気が狂いそうになり(すいません。ちょっと言い過ぎです)、死に物狂いで追いかけたり、某蚊採り機器を目いっぱい使いまくる。

そしてそんな、蚊の羽音に敏感な私だから、ずっと次のようなことを考えていた。
 
 「(けっして、蚊の味方をするわけではないが)こいつら、羽音を出さなければ、気づかれずに人に近づくことができるのに。突然変異でそんな個体ができたら、人も蚊の存在に気づかないから、すぐに蚊取り機器などで殺されることもなく、子どもが産めて、増えていけるんじゃないの」

 ところがだ、1,2年前から、私には、実際にそんな蚊が出現しているように思えて仕方ないのだ。

 なぜか。
 その1:実際、羽音を立てずに飛んでいる蚊を見たことがある。
 その2:羽音がしなかったのに、刺されて赤くなり、かゆくなっていることがある。

 その2についてはダニじゃないかという説もあるが、私はダニなどと一緒には生活していない。

 鳴かないコウロギが早々と出現したのだから、羽音をたてない蚊がそろそろ出現したって不思議はないじゃあないか。

 皆さんも、羽音をたてない蚊に出あったら連絡していただきたい。

 ちなみに、そのうちに、刺しても、その部分がかゆくならないような物質(の遺伝子)をもつ蚊も出てくるのではないかと、私は密かに警戒しているのだ。「昨日、鳥取環境大学の裏山で、体に血が一滴もなくなっている男性が見つかりました」みたいな、顔入りのニュースの被害者にはなりたくない。


できれば、それだけは避けたいと思っている。マジ。


その後

羽音をたてない蚊!?へのresponse


その後のその後
羽音をたてない蚊 三度