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2015/06/01

おそらく世界初 夜のコウモリとモモンガ(動画)


率直に言って、私は、状況が許す限り、いつもホモサピエンスも含めた動物行動の研究のことを考えている(ナンチャッテ)。今抱えている課題をどうすればクリアーできるのか。あの問題を明らかにするにはどんな方法があるのか。

上の写真は、おそらく世界で、私しか撮ったことがない場面だと思う。なぜなら、空中を飛ぶキクガシラコウモリとニホンモモンガがすぐ近くに写っているからだ。

これはちょっとない光景だ。
これも、日ごろの私の、研究へのあくなき気持ちが生み出した光景と言っていいだろう。

上の写真は、森の中につくった大きな金網ケージでコウモリを、自然に似せた状態で飼育するにはどうしたらよいかの実験中の写真である。

まだうまくいくかどうか分からないので、とりあえず、ニホンモモンガを飼育している野外の実験用ケージを貸してもらった。
うまくいけば、自然状態に近い環境で、コウモリの細かな行動が観察できるし、実験的な設定も用意に準備できる。

詳しい内容は、まだ極秘なのだが、要は、夕方から夜明け前まで、蛾などの虫をひきつける効果の高い水銀電灯をケージの中で照らすのだ。
すると、外から、金網の穴を通過した虫が入ってきて、電灯の周りを飛び回るだろう。

もし、ケージにコウモリを放しておけば、コウモリは、自然環境と同じ状態で、その虫たちを捕食することができる。・・・・すばらしい!

そして、いよいよ先日、それをやってみたのだ。今回の試行に選ばれたコウモリはキクガシラコウモリである。

ただし、それまでに解決しなければならない問題も幾つかあった。
たとえば、コウモリたちがねぐらにする場所は、どのようにしてケージ内につくるのか。あるいは、水銀電灯には、コウモリたちを養うことができるくらいのたくさんの虫が集まってくれるのだろうか、等々である。

ゼミ生のYsくんとも一緒に前者の課題は何とかクリアーした。
後者の課題も、ゼミ生の、虫に詳しいMyくんからもいろいろ教えてもらって、明るい見通しが開けた。

下の動画が、それを物語っている。

さて、これから、この試行はどうなるだろうか。成功するのだろうか。失敗に終わるのだろうか。


こんな試行を、何度も何度も何度も・・・・繰り返し続けていくのが科学の大変さでもあり面白さでもあるのだ。