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2015/10/06

これはムササビの仕業に違いない!



先日、芦津渓谷の森にニホンモモンガの調査にYくんと行った。
大学の野外の大きなケージに放す実験用の個体を捕獲することも今日の目的の一つだった(目的は達成された)。


巣箱をチェックしていたとき、上の写真のような、巣箱の穴を大きくしようとしたと推察される動物の痕跡を目にした。


私はそれはムササビの仕業に違いないと思った。
理由は;

1.もとの穴の大きさよりもっと大きい入り口を求めるのは、モモンガより大きな樹上性のげっ歯類である。

2.穴を大きくしようとして、これだけ力強く板をかじることができる樹上性のげっ歯類は、ムササビ以外に思いつかない。


さらに、私は以前、その調査区で、ムササビの頭骨を拾ったことがある。
 下の左の写真はそのときの写真だ。
 これがなぜムササビの頭骨といえるかと言うと、・・・右側の写真を見ていただきたい。
 3つ並んだ頭骨のうち、一番左がシベリアシマリスのもの、真ん中の頭骨がニホンモモンガのものだ。モモンガの頭骨は、ずんぐりしていて、鼻先が短い。木から木へと滑空するげっ歯類には、そのほうが都合がよいのだ。
 そして、一番右の頭骨は、モモンガを一回り大きくしたムササビの頭骨ということになるのだ。


 そして、上の写真だ。
 きっとムササビが、よい巣になるかもしれないと考え、自分が入れるようにと穴を一生懸命に齧ったのだろう。
でもムササビは途中で気づいたのではないだろうか。
仮に、自分が入ることができたとしても、その巣は小さすぎる!と。