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2015/11/08

オカヤドカリと暮らす(そんな大げさな!)


海へ行ってきた。
海も空もきれいだった。
風がもう少し穏やかだったらもっとよかったのだが。


 そのまま大学へ行ったのだが、今、家で飼っているオカヤドカリのために砂を少し持って帰った。

 オカヤドカリはとても魅力的な動物で、いろいろ興味深いテーマを提供してくれるのではないかと思っている。特に、“認知”に関する。

 ところで、オカヤドカリや海水中に棲むホンヤドカリを、体を傷つけることなく貝から取り出す方法をご存じだろうか。

 答えは、「貝殻の上に熱したハンダゴテを当てておく」だ。
 物騒に聞こえるかもしれないが、無傷で済む。宿である貝殻が熱くなってヤドカリは自ら殻から出てくるのだ。
 もちろん力まかせに取り出そうとしてもまず無理である。
 先日、生物の授業のイントロで、オカヤドカリでそれをやったら学生たちは驚いてくれた。そこから、「動物の分類」についての話に移ったのだ。
 オカヤドカリは、節足動物門、エビ綱、オカヤドカリ科という分類になる。つまりエビの仲間なのだ。
 殻に入れて防御している腹部をみればそれがよくわかる。

 ところで、最近私は、オカヤドカリに関するある現象に注目している。
 それは「ヤドカリの頭部や鋏脚の色が、各々の個体が入っている貝の色に似ている傾向がある」ということだ。

赤円の中に、それぞれのヤドカリの頭部胸部がある.殻の色と似る傾向がある

 日中に貝殻に入ってじっとしている時(オカヤドカリは基本的には夜行性だ)、天敵に見つかる可能性を低くするためだろうか。

 もし本当にそういう傾向があるなら、オカヤドカリはどうやって貝殻の色と同じになるのだろうか。
 自分の体色と同じような貝殻を選ぶのだろうか。貝殻に入ってから色素細胞を調節するのだろうか。
むーっ、ちょっとありそうにもないか。でもひょっとしたらあるかも。

 まー、そういうわけで私は今、家でオカヤドカリと暮らしている(そんな大げさな!)。