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2016/05/27

トノサマガエルは鋸で木を切る音がすると鳴き出す



Kさんは卒業論文でカエルの食性に関する生態を調べている。

食性というと、先輩のYくんが、泣く子も黙る「強制嘔吐法」によってこれまでに、百を超えるカエルの胃を裏返しにして口から外に出し、食べているものを調べてきた。

Kさんは一度、Y先輩のありがたいご指導を受けたのだが、奥深い「強制嘔吐法」をすぐにはマスターできず、先日、改めて私と一緒に採集に行き、捕まえてきたカエルで練習をしたのだ。

今、私は、その時のトノサマガエルを2匹飼育している。Kさんに、それらのカエルと使った、研究を深めるための実験を提案しているのだ。

そのトノサマガエルが、(話はややこしくなるが)、卒業研究でコウモリの行動を調べているIさんの実験に必要な木の断片をつくるために私が鋸で木を切ると、その音に反応して、ゲロゲロ鳴き出すのだ。

おそらく今、繁殖期なので、木を切る鋸の音が他のオスの鳴き声に聞こえ、それに対抗した縄張り宣言として、飼育中のトノサマガエルは鳴くのではないかと考えられる。
でも、正直、「こんな単純な音に反応するなよ」と言いたくなる。