小林朋道公式ブログ:動物行動学者。野生生物と3日ふれあわないと体調が悪くなる。 主な著書は『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 』、『通勤電車の人間行動学』、『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇』など
2015/11/07
窓枠を切り取った風景が美しいわけ
上の写真は、最近、大学の建物の中から外を見て、きれいだなーと感じた風景を、窓の枠も入れ込んで撮ったものである。
わたしは大学の中を移動するとき、いつも(会議の時間に遅れそうになって大変急いでいるようなときは別として)窓からの景色を眺めるのが習慣になっている。
ところで、皆さんは、“枠”が付くと、風景も魅力を増すことを経験されたことはないだろうか。
私はよくある。そして、その理由を考える。
今のところ、「手前と向こうの奥行きが強調されてできる“空間”という要素が美しさ感覚を増す」とか「たいていは外よりも暗い色の枠の存在によって、景色の色が、より鮮やかに感じられる」、「枠が風景全体に秩序の素を提供し、美しさ感覚を増す」といったことが頭に浮かんでいる。
それは、写真を額縁に入れるとなにか素敵になることと同じだと思う。
そして、その根本には、「我々の脳は、幾分複雑なものの中に秩序を見出したとき、つまり、対象をうまく把握したとき“美しさ”感を体験する」という私の持論があるのだ。
動物にとって対象把握の成功は、生存や繁殖に有利であり、有利な体験をしたとき、快さ(その一つが“美しさ”感)を感じるのである。
オモシロミノナイハナシデゴメンナサイ オヤスミナサイ
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