先日、動物行動学の授業で例示して学生たちが興味をもってくれた、シベリアシマリスの幼獣(まだ目も開いていない)による捕食者撃退行動である。
これまで、哺乳類の幼獣で知られてきた、捕食者が近づいた時の防御行動はすべて、うずくまったり物陰に、より深く身を潜めたり、動きや鳴き声を止めたり、といった受け身的なものだ。
シベリアシマリスの幼獣(まだ目も開いていなく母親から授乳を受けている)が動画のような、”積極的な”防御行動を行うのを見つけた時はとても驚いた。
最初は個体ごとにバラバラで発一匹の大きな危険な生き物が威嚇しているような感じがするのだろうと推察される。
実際、巣穴にまで侵入して幼獣を捕食する可能性があるケナガイタチで実験してみると、攻撃をためらうという明確な効果が確認された。
この実験ができたのは、私が巣箱を開けても、「またおまえか」くらいの反応で、外で餌を食べていた、とても親しい雌シマリスのおかげでもある。
動物との信頼関係が重要なカギになる実験もあるのだ。