2015/02/28

なぜコウモリは逆さにぶら下がるのか?




なぜコウモリは逆さにぶら下がるのか? 

実は、この問いに対する定説的な答えはない。

だけど、コウモリと、それはそれは親密に接している私が思いつく一番ありそうな答えは次のようなものだ。

まず、多くのコウモリは空中の虫を食べるように進化した。
そして、そのためには、昆虫を追いかけ捕獲できるような、巧みな飛翔力が必要になる。
実際、昆虫を餌にするコウモリの飛翔能力たるや・・・・そりゃスゴイ!

では、その飛翔力をもつためにはどんな形質が必要になるだろうか。
 それは、次の2点である。
 
 ① できるだけ軽い体
 ② 翼を動かすための強力な筋肉

 右下の写真を見ていただきたい。
 二つの要件を満たすためにコウモリは、上半身の背中の部分に、モリモリの筋肉を発達させ、下半身からは、できるだけ、肉をそぎ落とした。

 当然、上半身は重く、下半身は軽くなった。
 
 そんなコウモリだ。頭を上にして立つことなどできはしない。だから、天井にぶら下がるようになったのではないだろうか。


 いかがでしょうか。この仮説。

2015/02/27

大学に雪が降った。そして放牧場のトチノキは・・・・。




2月、1週間ほど穏やかな日が続いた後、久しぶりに雪が降った。

 予定していたコウモリ洞窟への調査行きができなくなった。

 さて、大学のヤギ放牧場の小屋の傍には、5,6メートルほどのトチノキ(トチの実のお菓子、ご存じないですか。あのトチです)がある。写真の矢印の先だ。
植えられて2年目だ。

 ヤギたちは小屋の中にいて外に出ようとはしない。小屋のトチノキと小屋との間にある小さな池は、周囲が真っ白になり、表面はシャーベット状になっている。中では、アカガエルの胚が、オタマジャクシにむかって、ゆっくりゆっくり成長している。

 そして、トチノキだ。

 このトチノキ、2年前にその場所に植えられてから、いろんなことがあった。少しずつ鳥たちが生活の一部に取り入れていき、毛虫も食料にし始めた。
 つまり生態系のなかになじんでいったのだ。

 一方で、トチノキ自身の戦いの日々もあった。放牧場の中は、土質の関係で、植物が育ちにくく、これまでに部員達が植えた木は、ことごとく枯れた(その原因の一部は、ヤギたちが葉を食べこともあるのだが)。

 トチノキは頑張った。私も部員も、水遣りや施肥で頑張った(私はいつか、このトチノキの話を、どこかで、まとめた文章にしたいと思っている。トチノキとヤギたちと鳥と人が織り成す物語として・・・ちょっと格好つけすぎました)。

 この雪のなかでトチノキはどうしているか。
 そう、それをお伝えしようとして写真(右下)をとった。

トチノキは、雪の寒さの中でしっかりと冬芽を用意しているのだ。硬くて、表面が粘着性の樹脂で覆われた冬芽を(樹脂は、寒さ対策なのか、来るべき新芽の時期に、毛虫から身を守るためのものなのか、そのあたりの理由はわからない)。

 そして、私が一番、心を動かされているのは、冬芽の大きさだ。
 昨年の冬目の大きさより、一回り二回り、小さいのだ。その小ささにこそ、この2年間のトチノキの物語の核心があるのだ。


 そのお話は、またいつか別の場所で。 

2015/02/26

今日見た鳥・・・ノスリ(猛禽類だ!)の若鳥だと思う



今日は休日だったのだが、大学へ行った。

 もちろん研究だ・・・それと動物達への餌やりと。

 大学の手前の電線で、明らかに猛禽類の一種と思われる鳥をみた。
 電線に止まっていた。

 車を道路脇にとめ、まず車の中から写真を撮った。それから車から降りて鳥に近づいていった。

 写真を一枚撮ったら、本人の(本鳥の)気に障ったのか、突然、パッと飛び立った。
 もちろんそれで引き下がる私ではない。

 見失わないように、行く先をしっかりと見つめていると、10メートルほど離れた電柱に止まった。
 そのときの動作で、私は、その鳥が若鳥であることを見抜いた(とは言っても、それがあたっているかどうかは分からないが)。
電柱の碍子に降り立つとき、バランスを崩し、体がぐらついたのだ。飛行術がまだ未熟な証拠だ。

私くらいになると、ちょっとした動作から、その個体についての実にさまざまな情報を見抜いてしまうのだ(まー、このときは、「若鳥かどうか」だけだったけど)。

 それから、ストーカーのように思われないように気をつけながら(ストーカーかもしれない)、ゆっくり鳥に近づいていった。

なぜ近づく必要があるのか?と思われる方もおられるかもしれない。
別に理由はない。ただ体が動くのだ。

鳥は、碍子の上で、今度は少し落ち着いた様子で、辺りを見回していた。私はまた、おもむろに、ポシェットからカメラを出し、何枚か写真を撮った。そして、何枚目かの写真を撮ったとき、鳥は、また羽ばたき、今度は、ついて行こうという思いが湧かないほど、遠くへ遠くへ飛んでいった。

あれはノスリだろう。今年生まれたノスリだろう。
そう思いながら、私は、飛んでいく鳥を見つめていたのだった。

「コンドルは飛んでいく」みたいな? みたいな。

2015/02/25

モモンガとの語らい。「何で?何で?」



 ある日の昼、大学の裏山につくっている実験用野外ケージに行くと、何を思ったのか、ニホンモモンガが巣箱から顔を出して、私を見つめてきた。

 「おじさん、何してるの?」

 みたいな感じで。

 私は、はっきりと声に出して言った。

 「おまえさん、何してるの?」

 夜行性のモモンガが何で今頃、顔を出すの?
 何で私をそんなに見つめるの?
何で巣箱のベランダにへばりつくように、リラックスしているの?

 やがてモモンガは私について、彼女(そのモモンガはメスだった)なりに納得したのか、巣箱の中にさっと引っ込んだ。

 私は、「それでこそモモンガ」と思ったが、でも、「もう少し顔を見せていてほしかった」と心から思った。


 繊細な乙女心のような、微妙な気持ちなのである。

2015/02/24

ヤギの放牧場の水底物体の正体は何か?!



 ヤギの放牧場の水底物体の正体は何か?!(これだけ読まれても何のことかお分かりにならない方は、前回の記事を読んでいただきたい。すべての謎が明らかになるはずだ)

前回の記事:さて、問題です。水底の謎の物体は一体全体、何なのでしょうか?!


では、もう一度。ヤギの放牧場の水底物体の正体は何か?!
ずばり、それはカエルの卵だったのだ!そう、透明の球体の中の黒い粒、一つ一つが卵だったのだ。

上の写真は数年前の写真である。ヤギの放牧場の水底物体は、4,5年前から毎年現れ、4月ごろには、写真のような可愛い子ガエルが姿を表すのだ。

ヤギの放牧場内のビオトープだけあって、周辺では、ヤギが周辺では、ヤギウがのどかに草を食んでいる。

では、このカエルの種類は何か?

カエル通(?)の方は、「1月に産卵」という情報だけで、また、写真の子ガエルの姿から、種類を言い当ててしまうかもしれない。

でも、そんなカエル通の方はそうそうおられはしないだろう。
大丈夫。ちゃんと準備はしておきました。


では下の写真を見ていただきたい。



 そう、カエルの種類はアカガエルだったのだ(写真を見ても種類がすぐにはお分かりにならなかった方も多いだろう。よい機会なので覚えていただきたい)。

アカガエルは、多くの自治体で、絶滅危惧種に指定されている種類だ(鳥取県でも)。
そのカエルが、なんと環境大学の、それもヤギの放牧地にヤギ部の部員たちがつくったビオトープに産卵するとは! まさに、オー。マイ、ゴート!(ヤギ(goat)と神(god)とをかけたのだ。我ながらスバラシイ!)

オシマイ

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