20150203
顔もそれぞれ個性的で、私くらいになると、顔で「ああー、4ヶ月前にあの巣箱に入っていたあの個体かー」とか分かる・・・こともある。
尾の毛を、いろいろなパターンに切って識別の手がかりにする。毛はすぐに回復すると思ったが、真ん中の、切りたての尾が1年経ってもやっと右の状態にくらいにしかならないことが分かった!
私は、ニホンモモンガの調査をしている。
調査では、ニホンモモンガの各個体を識別する必要がある。
一匹ずつの個人リストをつくるため、顔や性別、体重などを個体ごとに記録するのだ。
顔もそれぞれ個性的で、私くらいになると、顔で「ああー、こいつは4ヶ月前にあの巣箱に入っていたあの個体かー」とか分かる・・・こともある。
でもやっぱり厳密性に欠けるので、次に考えたのは、尾の毛をいろいろなパターンにカットするという方法だ。以前、シマリスでもやったことがある。
その話を講義で、学生たちに話すと、「モモンガがかわいそうだ。飛ぶときに尾がアンバランスになって困るかもしれないし、母親だったら、尾で子どもたちを包んで、暖めてやるかもしれないのに」と言われた。
私が返した返事は、「うんうん。まー、君たちは哺乳類の毛のことをよく知らないから、そう考えるのも無理もないが、大丈夫なんだよ。毛は数ヶ月もあればかなり回復するから」だった。
でも、ことモモンガの毛についてはそうではなかった。
1年経っても、ほとんど回復しないのだ!
モモンガたちよ、ごめん、知らなかったんだ!
でも、あるメスは、毛をカットされた状態で、子どもを産み、立派に育てた。
ひょっとしたら、毛がカットされた尾のために、多少は苦労したことがあったかもしれないけど、まー、大丈夫だということだろう。
ちなみに、私は、これらのモモンガが生息している森の環境を保全することにつながれば、と思って、モモンガプロジェクトという取り組みを行っている。
その一環で、モモンガをシンボルにしたグッズなども地域の方に作ってもらって販売している。
興味のある方は(興味がない方も)、下のサイトを見てくださるとウレシイ。
小林先生
返信削除購入させていただきましたモモンガの木彫り、毎日尻尾をなででかわいがっております。我が家のマスコットです。