ユビナガコウモリMiniopterus fuliginousは実に魅力的な動物だ
彼らが壁に残した糞と尿の跡.拭取っても拭取っても跡が消えない!
私が発想を変えて編み出した方法を使えばこのとおり!
私は今、大学でコウモリを飼育している(念のために申し上げておくが、あくまでも研究用なのだ。彼らを題材にした研究の論文が今年中に一編出版されるだろう。そして新たな論文も書いているのだ)。
コウモリたちの研究のためには、まずは彼らが健康でなければならない。だから飼育はとても大事な仕事だ。
私は毎日、彼らのために餌を準備し、ときどき、彼らを広い空間で飛翔させている。
先日、いつもとは違うある部屋でユビナガコウモリたちを飛翔させていたら、困ったことに、その部屋の白い壁が、コウモリの糞・尿で汚れてしまった。その壁の表面の構造が、汚れを落ちにくくしていたのだ。もちろん一ヶ所ではない。
その部屋がどこかは口が裂けても言えないが、なんとしてもその汚れは何とかしなければならない。
私は、できうる限りの方法で汚れを落とそうとしたのだがどうしても消えない!
私は絶望のあまり頭を抱えて床にうずくま・・・・そこまでのことはなかったが、それに近い気持ちになった。
でも、こちらの気持ちも知らずに元気に飛び回るコウモリたちを見ていて、ある素晴らしい、もう一度言おう、素晴らしい方法を思いついたのだ。
拭取れないのなら隠せばよい。
私は大学の近くの店に飛び込んで、油絵の具の白(!)と筆を買い、現場に戻った。
あとは上の写真を見ていただきたい。
こういうのを、コウモリたちの汚点の“尻拭い”というのだろうか。