環境汚染によりカエルは個体数が減少し、世界では絶滅したと思われるカエルの種類が毎年報告されている.カエルを含む両生類は皮膚の表面に防御カバーをもたず、有害作用を直に受けやすいことが一因だろうと考えられている。
日本でもカエルの減少は各地で指摘されており、有害物質の作用や、水田の管理の近代化にともなう田んぼの中の水や餌の環境の変化なども関係していると推察されている。
しかし、ある種類のカエルだけはちょっと具合が違うらしい。そのカエルとは、アマガエルだ。
それにはいろいろな理由があるだろうが、今日は、その理由の一つかもしれない光景を目にしたのでお知らせしたい。
上の写真を見ていただければすぐお分かりだろう。
吸盤の発達した四肢をもつアマガエルは、虫が暗闇の中の光にひきつけられて寄ってくる場所にするすると近づき、虫たちをパクパク食べるのだ。
夜の光・・・そのほとんどは人が作り出す光だ。
自動販売機の光、街灯の光、家の窓の光・・・・。アマガエルは学習能力も高いのだろう。一度場所を覚えると、毎日でもやってくるらしい。写真には一匹しか写っていないが、実際には2つ並んだ自動販売機に、7匹以上のアマガエルが、そのガラスに張り付き、虫を狙っていた。
鮮やかな色とりどりの缶や瓶の上に張り付いたカエルは、そのシルエットが浮き立ち、なにやらとてもポップな光景を生みだしている。そのままアートになる。
そうそう、忘れられないのは、自動販売機の下に、恨めしそうに上を眺めながらたたずむトノサマガエルの姿だ。トノサカガエルの四肢には吸盤がないのだ。その代わりに、すばらしい跳躍力があるが、その能力をもってしても、とても光の中の虫には届かないのだ。
なにかよい方法はないものだろうか。
全国の自動販売機の“光の場所”まで通路をつけてやれば、トノサマガエルの個体数の減少が少しは鈍るかもしれない。
最後に、ポップでアートなアマガエルが虫を食べるところを動画で撮ったので、ご覧いただきたい。