約3週間ほど飼育したことになり、その間、それなりに世話は大変だった。毎日欠かさず餌を、手で与えなければならなかったからだ。
最初はミルワーム(ある甲虫の幼虫)を与えていたのだが、途中から、ヒト用の母乳(粉ミルク)を好むことが分かり、ミルワームと併用して与えた。
キクガシラコウモリの口内は、一種の頬袋みたいな構造になっていて、口に入れた餌を一時的にそこに貯蔵しておくことができる・・・そんな発見もした。いずれにしても毎日接していると愛情も深まるというものだ。
ときどき部屋の中を自由に飛ばせてやったのだが、キクガシラコウモリの飛翔の巧みさには目を見張るものがある。動画をつけておいたので見ていただきたい。
「ありがとう。元気でね」と言って木にとまらせたのだが、なかなか飛翔しなかった。パッと飛んでいく姿を動画に映そうと、ライトを当てて構えていたのだが、光がよくないのかと考えて撮影を中止した(一応、そのときの動画もつけておいた)。もちろん彼が、私との別れを惜しんだわけではないだろう。
いや、やはり動物は面白い。