先日(二日間)、大学のオープンキャンパス(受験生へのアピールのために大学がキャンパス内でさまざまなイベントを行うのだ)があった。
そこには、「先生と話そう」(いや「研究室公開」だったかな・・・まーどちらでもいい)というイベントがあり、高校生(一部、中学生)が、興味関心がある教員の研究室を訪ね直接いろいろな質問をする時間(午後)が設けられている。
毎年、私のところへは両日、結構たくさんの高校生が、親御さんと一緒に来られる。研究室ではとても間に合わないから、場所をゼミ室に変え、中にずらーっと座っていただいて質問に答えている。それでもゼミ室がいっぱいになり、外で待っていただかなくてはならない。
そんなこともあって以前は講義室を使っていたこともあったのだが、それも、雰囲気が硬くなってどうも具合が悪く、少々の無理は覚悟でゼミ室で行っている。
ところで、私は、最近はずっと(いつもと言えばいつもなのだが)、いろいろな仕事で疲れが溜まっており、オープンキャンパスも、4,5時間、ぶっ通しで喋らなければならないものだから、1日目も後半になるともう自分でも何を喋っているのか分からなくなる。
そしてその姿を、オープンキャンパスにスタッフとして参加してくれている学生達、特に私のゼミの学生達はよく見ていたのだろう。
2日目の昼、次のようなことがあったのだ。
オープンキャンパスの日は、食券が配られ、昼は食堂で好きなメニューを食べることができる。
でも1日目はいろいろ忙しくて食べられなかった。そこで2日は絶対食べてやろうと思い、早めに食堂に行ったのだ。
私はカレーライスを選び、窓際の気持ちのよい場所に座って食べていた。
もう食べ終わるくらいのときだった。
背後に人の気配を感じたとき、「先生」と声がした。
振り返るとそこにはゼミ生のOさんがにこっとした顔で立っているではないか。
そして、Oさんは、「これ飲んで元気出してください!」といって、某栄養ドリンクをテーブルの上においてくれたのだ。
これはだれだって嬉しいでしょ。
私はすぐにそれを飲むのがもったいなく感じ、いざ、訪問者が待つゼミ室へ帰る途中、ヤギの放牧地が見える場所で半分飲んだのだ。
ゼミ室に帰ってみると別なゼミ生達がゼミ室の中に、一つの椅子を同心円状に取り囲むようにして椅子を並べてくれており、椅子には高校生や親御さんで満席だった。
必然的に私は、中心の椅子に、裁判での被告のような感じで座り、話や質問がはじまったのだった。
2日目もなんとかのりきれたのは、ゼミ生達の思いやりと応援があったからだと思っている。
今もまだ疲れが取れておらず、脳が順調に働いてくれないのでうまく表現できないけれど、これはとっても有り難いことなのだと思う次第である。