いまさら言うまでもないのだが、自然はアートに満ちている。
上の写真は、ヤママユガの体の一部である。
気持ち悪い、と思われる方もおられるかもしれない。でもそれはそれでアートの特性ともいえる。
優れたアートは、あなたの心をかき乱す! そう、芸術は爆発だ!と、かの岡本太郎氏は叫んだではないか。
ちなみにヤママユガの繭は、下の写真のように、とてもきれいだ。ポップアートと言ってもいいだろう。
やっぱり自然はアートに満ちている。
でも本当は違うんだ。逆なんだ。
ヒトの脳が、自然を、“アート”という感じ方で受け取るようにつくられているのだ。
誰がつくったか?
自然淘汰がつくったのだ。
つまりこういうことだ。
自然の事物事象に、驚嘆や感動の気持ちで反応するような脳をもった個体は、“自然の中での狩猟採集生活”の中で、より自然を深く知り、他個体よりも、より生き延びやすかったということだ。
たとえば、暗闇の中で小さなろうそくの“火”をじっと見つめる子ども。彼らにとって、そのとき“火”はアートなのだ。
アートの意味を生物学的に分析したアメリカのE. Dissanayakeは、アートは、対象を「make it special」(特別なものに感じさせる)ことだする著作を発表し、多くの研究者から評価を得ている。
今回の私の記事で、あなたにとってヤママユガは特別なものになりませんでしたか?印象に残りませんでしたか?
それはあなたの脳がそう反応したのです。
別に・・・。
と思われたあなた、野に出て、実物のヤママユガとその繭に出会ってみよう。何かが心に残るに違いない。
トラウマだったりして・・・。そのときはゴメン。