皆さんは、上のような生物の残骸を海辺で拾ったことはおありだろうか。
海にそこそこ行った経験がおありの方ならよく見られたことがあるだろう。
ウニの残骸(体の外側を覆う硬い部分だけが残った)である。放射状に点々と残る小さな突起の上に棘がついていたのだろう。
海の中で死んだウニが、こんな残骸になって打ち上げられたのだろう、と思っていた。
でも今回、大学のゼミ室の海産水槽のなかで、(私がゼミの学生たちの教育のために海岸から連れてきた・・・・ウソピョーーーン。私が見たくて連れてきた)ウニが、わずか一日で、この残骸に変身(?)するのを目の当たりにした。
ではどうして元気だったウニが、金平糖饅頭(これは私が今創作した、ウニの残骸を表現する言葉だ。分かる人ならイイエテミョウと賞賛してくれるだろう)になったのか。
結論から言おう。
イソギンチャクがウニを食べたのだ!
事は、サンゴイソギンチャクの上の岩を這っていたウニが、足を滑らせて(ウニの足は、管足という百本近い構造物が組織的に動いて機能している)、コロッと一回転して、イソギンチャクのすぐ上の岩棚まで落ちたところからはじまる。
もうちょっと下がったらイソギンチャクニやられるかも、と学生達と話していたら・・・・、夜のうちに“もうちょっと下がった”らしい。
次の日、あわれウニは、出来立てほやほやの金平糖饅頭になって、イソギンチャクの傍に横たわっていた。
あれだけ気をつけるように・・・言いはしなかったが心で思っていたのに・・・、私はその結末を大変悲しみ、でも同時に思ったのだ。イソギンチャクはどのようにしてウニの針を処理したのだろうか。
イヤー、自然は謎でいっぱいだ。
合掌
左の矢印の先がウニ、右の矢印の先がウニを食べたイソギンチャク