2015/02/10

歯医者さんでリラックス、なんで?



昨日の午前、懸案だった(?)、小さな虫歯の治療に行ってきた。

 症状は軽く、虫歯の部分を少し削り、そこに金属をかぶせるだけの治療で、痛くもなんともなかった。
 気がついたら、なんと、私は眠ってしまっていた(!)。よだれを出していなかったのがせめてもの救いである。

昨晩、遅くまで仕事をしていたので、それも一つの理由だった。だが、もっと本質的な理由があることは、私くらいの動物行動学者になると容易に想像できるのだ。

皆さんは、散髪をしてもらっているときに、無性に眠くなったことはないだろうか(私はよくある)。耳かきで耳の穴の掃除をしてもらっているときに眠くなったことはないだろうか。足を揉んでもらっているときに眠くなったことはないだろうか。

ヒトは、散髪や耳掃除や足揉みのときのように、軽く体に触れられているとき、脳内から、ストレスを抑え、快さを生み出す、化学物質の放出や神経の興奮が生じていることが知られている。赤ん坊を寝かせるとき、歌を歌いながら体を軽くぽんぽんと叩いてやるのも、赤ん坊に対して同じような効果をもつ。

群れをつくる霊長類であるホモサピエンスにとって、互いに触れ合うことは、「群れの中にいること」、「相手から好意的に扱われていること」に伴なう身の安全度の高さを意味しているのだ(なんと難しそうな、でも的確な表現!)。だから、エネルギーを節約する意味でも、リラックスして、眠り(に近い)の状態になるのだ。と私は思うのだ。
多くの霊長類で、盛んに相互の毛づくろいが行われる理由も

さて、歯医者さんで、治療中に寝てしまった私の話である。
もうおわかりだろう。痛いときは話は別だが、そうでもないときは、歯の治療は、「散髪をしてもらっているとき」や、「耳かきで耳の穴の掃除をしてもらっているとき」、「足を揉んでもらっているとき」と同じことなのだ。
かくして、痛みのない治療で、私は、よだれをたらすことなく・・・・眠ってしまった。そういうことなのだ。

ちなみに、不安でストレスを感じたとき、自分で自分に触れれば、他の人から接触してもらったと同様な効果もある(効果はそれほど大きくはないだろうが)。
だから、そんなとき我々は、自分の手で、自分の唇や、頬や、腕などをさわるのである。それが、一番上の写真の紳士方の動作のわけだ。


ナルホド。

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