私は研究室でヘビを飼っている。ときどき実験を手伝ってもらうからだ。
何度か飼育容器から脱走したことがある。でもたいていは、窓辺や本の間で見つかる。
脱走期間が長かったとき、まず私がすることは、水を飲ませてやることだ。結構、喉を渇かせていることが多いのだ。
水道のところで口に水を流してやると、ぐびぐび飲む。飲んだ後は、あーっ、美味しかった、という顔をする。
ところで、皆さんはヘビに咬まれたことはおありだろうか?これを読まれる方のなかでは、そんな方は極々まれでしょうね。
ちなみに私はある。何回も。
「もう慣れているのでは」と思われるかもしれないが、ヘビに咬まれるというのは、何度経験しても、一種独特のショック感がある。
もちろん毒ヘビではないし、咬まれてもたいしたことはないことは分かっているのだが、なにかショック!だ。
昨年の秋、学生が大学の裏山で捕まえたといって、ヘビ(シマヘビ黒色体)をもってきた。
せっかくだから、歯の生え方とか、気管の口の場所とか教えてあげようといろいろ触っていたら、突然咬みつかれた。
学生の手前、平静を装ったが、なにかとてもショックだった。
きっと、私の脳内の、狩猟採集時代から変わっていない「ヘビ検知・対応神経系」が激しく警戒信号を出しているのだろう。
でも、ヘビは好きかと聞かれたら、嫌いなわけないじゃあないですか、と答えるだろう。
私は、大きなミミズ以外は、動物はほぼ何でも好きなのだ。
歯は同心円的に二列になっており、一本一本は、喉の側に向って生えている。だから咬まれると、引き出そうとしてもなかなか取れない。咬みつかれると結構、動揺し、カメラのピントもずれてしまう。ちなみに、左写真の矢印のところに、空気を肺へとおくる気管の口がある(そこから、二つに割れた舌も出ている)。獲物を飲み込むとき、気管の口が、ヒトのように奥にあると、獲物で塞がれてしまうので、前のほうに開口していると考えられている。
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