先日の雪の日の翌日、大学の近くの林を歩いた。
雪の上には、さまざまな木の葉(一部、種子)が、白いキャンパスに描かれた油絵のように横たわっていた。
私は、その色合いや形に魅せられた。もちろんそれだけでも充分だろう。ただただ美しいし、愉快だし、心は癒され、心は元気づけられる。
でも、生物学が肌に(正確には、脳に)染み付いている私は、その色合いや形をつくっている生物の戦略にも思いが走るのだ。
茶色なコナラの葉の成分を栄養にしながら、成長する真菌の“黒いシミ”の戦略に。
白や茶色の風景の中に、種子を青色の果肉で被い、鳥に食べさせることによって、遠くへ運ばせるヒサカキの戦略を。
種子を小さく軽くして翼を持たせ、遠くまで飛ばせよつとするモミジの戦略を。
優れた研究者は、優れた詩人の言葉に魅せられ、優れた詩人は、優れた研究者の解説に耳をそばだてる、と私が大好きな動物行動学者は書いている。私はその言葉に強く共感するのだ。
ちょっと今日は格好つけすぎた。
でもホント、雪上の木の葉(一部、種子)はいいよな。
オシマイ