2015/01/18

なぜ黒人の頭髪は縮れていて白人の頭髪はウェイブしているのか?

20150118


ニューギニアの高地の女性(右)とヨーロッパの女性 Desmomd Morris Manwatching (1977)より

 昨年の暮れ、実家に帰ってテレビを見ていたら、ニューカレドニア(ニューギニアの近くの島)の家族が日本にやってきていホームステイするという番組をやっていた。一緒に見ていた長兄いわく。「黒人の髪はなぜ縮れているのかね」。
 
 へーっ、あまり考えてことなかったなー。そう言われればそうだよなー。面白いなー。そして私が即席で返した答えが次のようなものだった(今考えてもその答えはなかなかいいと思う)。

 まずは、体の表面の色の話からしなければならない。
 われわれホモサピエンスの体は、ある程度の太陽光を必要とする。それは、ある程度の太陽光を浴びることを前提として体が設計されているからである(設計図にあたるのが遺伝子である)。

 浴びる量が少ないといろいろ問題が出てくる。
 たとえば、ヒトも含めた多くの哺乳類では、ビタミンDの形成に太陽光が必要だ。食物として得た原料に、体表を透過してきた太陽光が作用してビタミンDはできるのだ。だからあまり日光を浴びないとビタミンDが不足して、骨の成長が阻害されるクル病などが発症する。(ただし、強すぎう太陽光を浴びるのも危険である。皮膚癌になりやすくなるのだ)。

 一方、太陽が地面と直角に近い角度で当たる赤道付近(つまり熱帯)では、光の密度は高く、太陽光が、地面に対して斜めに当たる北極や南極の付近では、光の密度は低い(同じ重量、大きさ、速度のボールでも、顔面に直角に、ガチで当たったときのほうが、顔面をへつるように当たったときより痛いのと同じことである)。

 今、仮に、熱帯に当たる太陽光の密度を100とし、高緯度にあたる太陽光の密度を70としよう。そして、ヒトの体に必要な太陽光の密度を60としよう(60を越えると発がん性が急に高くなる)。
 すると、熱帯では、太陽光の40(100-60)の分だけ、太陽光をカットしねければならないし、高緯度では10(70-60)の分だけのカット、ということになる。
 そして、体表の色というのは、この“カット”の手段ということになるのだ。
 黒いほうが体表下に浸透する太陽光は少なくなる。

 もうお分かりだろう。熱帯の人は色素細胞のメラニン生産が多く体表が多いほうが生存・繁殖に有利だし、10万年前くらいに高緯度に移動した人は、退職があまり黒くないほうが、生存。繁殖に有利だったわけだ(高緯度地方では、そういう人が生き残ってきたわけだ)。
 移動交通手段が発達した現代でこそ、黒人と白人の分布はかなり入り組んでいるが、今から数万年前の、自然な分布を、学術的に推察してみると、低緯度には黒人、中緯度には黄色人、高緯度には白人というかなりはっきりした分布になるそうだ。

 さて、頭髪の話だ。
 直立したヒトにとって、頭は、体の中で最も強く(直角に)太陽光が当たる場所の一つだ。だとしたら、黒人では、髪は、(もちろん黒々として)互いより重層に絡み合って、頭の皮膚への太陽光をカットするような構造になったほうがよいのではないだろうか。その構造の1タイプが“縮れ”である。

 それで、白人の頭髪の“ウェイブ”はどうなんだ?と聞かれますか?

 それはまー、皆さん各自で考えていただきたい。

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