上の写真に写っている愛すべき動物たちは、上右から順に、アカネズミ、ニホンモモンガ、シベリアシマリス、キクガシラコウモリである。すべて、私が研究して論文に書いたことがある動物である。シベリアシマリス以外は、まー、夜行性である。アカネズミは地上性、シベリアシマリスは半地上性(半樹上性)、ニホンモモンガは樹上性、キクガシラコウモリは空中性とでも言えるだろうか。
さて、ここで問題です!
これらの動物たちの中で、3匹には備わっているが、1匹には備わっていないものを2つあげて欲しい。
・・・・・サービスだ。一つは私が言おう。
一つは、長い鼻髭。アカネズミ、ニホンモモンガ、シベリアシマリスには備わっているが、キクガシラコウモリには・・・鼻髭が、まったくと言ってよいほど、無い!のである。前3者がそれを持っているのは、彼らが、地面や樹の、(顔がギリギリ入るほどの)穴を利用することと関係があるだろう。キクガシラコウモリは、(顔がギリギリ入るほどの)穴なご利用しない。
そして、もう一つは、・・・・
大サービスだ。もう一つは、超音波が感受できる耳だ!
超音波が感受できる耳の特徴は、①薄いこと(少なくとも血管などは透けて見える)、②輪紋のような模様がある。
キクガシラコウモリと、アカネズミと、そしてニホンモモンガは、そんな耳をもっているのだ。つまり、この3種の動物は超音波を発し、超音波を受信できるのだ。
私は、この“超音波が感受できる耳の法則”をもう20年以上も前から主張しており、8年前に、ニホンモモンガにはじめて出会ったとき、「ニホンモモンガは超音波をコミュニケーションに使っていると予言した。
そして数ヶ月前、超音波を、周波数を下げて、ヒトの耳にも聞える音に変換する装置を使って、ニホンモモンガが超音波を発していることを確認した。
ここまで述べてきたような種類による違いはなぜ(進化的に)生じてきたのか。
かなり説得力のある仮説がご披露できるのだが、・・・・それはまたの機会に、ということで。
オヤスミナサイ