ニホンモモンガを調査していたときのことである。スギの木の地上6メートルのところに設置した巣箱をチェックするために、ハシゴを掛けて登った。でも、巣箱の中に、スギの樹皮でつくった巣はあったが、モモンガはいなかった。記録をしてハシゴを降りたときだった。ハシゴを掛けているスギの木の横から、黒くて長いものがすっと出てきた。結構でかい。私はびくっとした(こういうときは、脳の扁桃体が興奮している)。
次の瞬間、私は二つの(一つはちょっと驚きの)情報を確認することになる。
一つは、その黒くて長いものが、最大級の大きさのヤマカカシであるということ。そしてもう一つは、そのヤマカカシが、かなり大きな物を飲み込んでいること。
腹が大きく膨れていたのである。
さて、皆さんはヤマカガシの腹の中のものは何だと思われるだろうか。
そう、わたしもそう(モモンガではないか!と)思った。
で、気がついたときには、私はヤマカガシを捕まえていた。
結論から言います。それはモモンガではなかった。特大のヒキガエルだった!写真も撮ったが、ここには載せない。そのほうが皆さんにとってもよいと思うからだ。