上の写真は、私が勤務する大学の、研究室の窓から。下は、研究室から講義室まで行く途中の、階段の踊り場から。
どちらの風景も、ちょと物悲しくて、優しくて、心に染みいった。
人恋しい気持ちになった、といえばよいのだろうか。
ただし、私は、それだけでは終わらない。
ヒトという動物(の脳)には、なぜ、こんな心理が備わっているのだろうか(生存や繁殖にどんな利益があるのだろうか)と問うのである。
ヒトという動物がまだ、自然の中で狩猟採集の生活をしていたころ、これと似た気持ちになったのは、おそらく(風景から色が消える)闇迫る夕方だろう。
「ちょと物悲しくて、優しくて」という気持ちは、群れの個体を、物理的にも心理的にも、互いに近くへ“より沿わせ”、捕食動物に対抗する状態を生み出したのではないだろうか。