ユリカモメは、私から離れたところで、群れて波間に揺れていた。ヒトは向こうをむいて寒そうに歩いていた。彼らの認知世界の中に、私は存在しない。
ネコだけが私の存在を認め、こっちをずっと見ていた。
ネコの世界の中では私はどんな存在として認知されているのだろうか。
ちなみにこの写真が、視覚に関する私の認知世界の一端を示している。
なんだか記号のような無機的世界のなかに、こちらを見るネコのまなざしが妙に生々しくて、シュールに現実味を与えてくれる。
時代は段々と無機的になっていく。その中に合って、ネコが人気があるのも、ちょうどこの写真の中と同じように、無機の中の、生き物らしさ、生々しさを、人々が求めているからなのだろうか。
・・・みたいな。
とにかく、飼育放棄は絶対にしないようにしましょう・・・みたいな。