2015/07/16

子育て中のコウモリ イヤ、オミゴト(動画)



 先日、海の近くの洞窟へ行った。下の写真が、洞窟の入り口から外側を向いて撮った写真である。海が綺麗だ。

 その洞窟の中では、雌のキクガシラコウモリが約一ヶ月前に子どもを出産し、子育てに忙しくしていた。二組ほど網で捕獲して子どもの育ち具合などを調べたのだが、子どもの体重はいずれも約11gで、すでに母親の体重の半分くらいになっていた。それが上の写真だ(左側の母親にぶら下がっているのが子どもだ)。


母親の乳頭は、前肢(つまり翼)の下に左右一対ある。


 面白いことに、母子ウモリでは、その本物の乳頭とは別に、肛門の傍に、「擬乳頭」とよばれる偽の乳頭が発達しており、母親が飛ぶとき、子どもはその擬乳頭を咥えて母親のお腹にしがみついている(擬乳頭の写真はまた今度)。

              矢印の先が本物の乳頭

 さて、親子の“計測”が終わり、洞窟の入り口から出たところで、子どもがお腹にしがみついた母子ウモリを地面に置いて、パッと手を放してやった。
下の動画は、そのときの様子をを映したものだ。
見ていただきたいポイントは2つある。

一つは、「母子ウモリの飛翔力の強さ」だ。
自分の体重の半分もある子どもを抱えた状態で、地面に置かれたその場から、そのまま飛び立ったのだ。たいした飛翔力ではないか。鳥でもなかなかこうはいかないヨ。

もうひとつのポイントは、「母子ウモリの空間認知の正確さ」だ。
地面に置かれた母コウモリは、身をひるがえして、洞窟のほうへ一直線に飛んでいるではないか。どうして即座に自分の洞窟の方向がわかるのだろうか。


イヤ、オミゴト。

   

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