2015/07/09

ネジバナを知っていますか?


 「ネジバナ」をご存知だろうか?

日当たりのよい草地に生える2040cmほどのラン科に属する多年草である。
 花茎にピンクの小花が螺旋状につき、その特異なデザインもあって、目に付きやすい。49月が花期で、大学の研究棟の裏の斜面に20本ほどが花をつけ私は近くを通るたびに目をやってしまう。

 私の中のこの花についての記憶は、小学校低学年のころだ。
 家の近くの里地で友だちと遊んでいてこの花を見つけた。確か、墓地(!)に隣り合わせの草地だったと思う。
 子どもながらに、ちょっとおしゃれなその姿に心惹かれ、その時の瞬間を今でも覚えているのだ。
 父が鉢に植えて手入れしていたことも覚えている。

 先日、大学のネジバナたちをゆっくり見てみると、わずか1m四方の中に、右巻き螺旋の株、左巻き螺旋の株(遺伝的に両方の系統があることは知っていた)・・・ばかりでなく、螺旋にならない、つまり、「小花が直線に縦に並んだ株」や「小花が白色の株」も見つかった。

 最近の生物学は、遺伝子の解析や操作などを武器に生物現象の解明に迫る分子生物学が幅を利かせている。もちろんそれはそれでよいのだが、野や山や海や水辺に生きるそのままの生物を一生懸命に見つめ探る中に、分子生物学ではとても気づけないたくさんの重要な発見があることは間違いない。歴史がそれを示している。

 そういう生物学者たちよ、頑張ろうではないか。


ブログ更新情報

色々な記事