大学の裏山の林の中のカスミサンショウウオ・ビオトープに、散ったサクラの花びらが浮いている。2月の終わりから雌を待って水中に潜んでいる雄はまだビオトープを離れない。すでに、2匹の雌が産卵してくれたのだが、まだ新しい雌を待っているらしい。
網で底をすくってみたら、サクラの花びらをまとった雄が入っていた。
だから、「サクラ散って、そして桃色カスミサンショウウオ」なのだ。
そろそろ雄は水場を離れるだろう。林の落ち葉の下で来年の冬の終わりまで過ごすのだ。でも今は、水中の感触が名残惜しいのだろうか。サクラの花びらに後ろ髪を引かれるのだろうか。