2016/07/02

告白します。私はコウモリの赤ん坊をお腹の中に入れて講義をしました。


あなたは、キクガシラコウモリの生後約3日の子どもを、お腹の中(胃の中ではない。シャツと皮膚の間)に入れて講義をされたことはあるだろうか。
(最近、ワンパターンになっていて恐縮だが)私は・・・・ある。・・・・あるのだ。


水曜日の午前、ゼミの学生2人と一緒に山の中腹の洞窟に行った。

進んでいくと、Iさんが、地面に落ちているキクガシラコウモリの子どもを見つけた!
持ち上げてみると生後2日か3日の乳獣だった(私はわかるのだ。キクガシラコウモリの出産に立ち会ったこともあるのだ)。
体は冷たく、ほっておくと間もなく死んでしまうことは明らかだったので(もちろん親が近くに居て・・・ということはコウモリではありえない)、大学に連れて帰った。

研究室では、ヒトのミルクの元を湯に溶かして子どもに(ヒトの子ではなく、キクガシラコウモリの子である)与えた。ヒトのミルクがいいことはわかっていた(私くらいになると全部知っているのだ)。赤ん坊コウモリは、私が手で、その体全体を包むように掴んでいるときは泣き止んだが、手から放すと体を揺らしながら、最後の力を振り絞るように大きな声で鳴いた。
それを続けると長くはもたない、と思ったので、私はずっと手に、その小さな体を(とはいっても母親の体重の3分の1以上はあり、ヒトで言えば、20kgの赤ん坊ということになる)握って仕事をしていたのだが、その日は午後一番に講義があった。

さて、みなさんだったらどうします?

赤ん坊を握ったまま講義は出来ない。
仕方がないから赤ん坊を腹の中に入れて講義をしたのだ。正確には、赤ん坊を手袋に入れて、それを腹の中に入れたのだが、講義の進行とともに、赤ん坊は手袋からはい出し、・・・・・・。

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