ゼミ生のMaくんと実験室でヤドカリの実験をしていたら、ヤギ部でゼミ生のSくんから電話がかかってきた。
ヤギのアズキとコムギが柵から外へ出ているという。
アズキについては全くの想定内だ。
アズキは他のヤギにはまねできない技術を身につけて、柵の、上から4段目の隙間をすり抜けるのだ。
上の写真はその柵抜けの一場面だ。
わかりにくいと思うので下に動画をのせた。ご覧になればわかると思う。
これは問題だが、一頭なら、群れから離れて単独になることをひどく嫌がるヤギの特性からして、柵から遠くへ移動することはない。まー、許容範囲だ。
ところが、Sくんの話では、今回はコムギまで外に出ているという。
コムギがついにアズキの技をマスターしたのかもしれない。
2頭となると話は別だ。単独ではないので、2頭連れだって結構遠くまで行くことがある。そうしたら事務局などからも何とかしてほしいという話が私に来るに違いない。
これは困った、と思っていたら、また電話があり、何と高齢で体の大きなクルミまで外に出ているという。
これはいよいよ困った。
「Maくんとの実験があと20分で終わるからそうしたら行く」と返事し、実験を続けた。
するとまた、Sくんから電話があり、キナコとクルミが出た場所がわかりました。一番下の、木の柵が壊れていました、とのことだった。
私は安心した。キナコとクルミはアズキの技をマスターしたわけではなかったのだ。
それなら、その壊れた柵の部分を直せばコムギ以外は外に出ることはない。
そして私は20分ほとして実験が終わり、Sくんのところに行ってみた。ヤギ部のMoさんも来ていて、ヤギたちの脱走は最初Moさんが見つけ、LINEで部員に伝えということだった。
下の写真は、壊れた柵の場所を、近くにあったものを利用して直したところだ。
Sくんも、熱い!疲れた!を連発しながら、Moさんともども一緒によくやってくれた。
小さな事件や大きな事件を一つ一つ解決しながらヤギ部は持続している。それは人生と同じことだろう。一つ一つ、目の前のことを淡々とできるだけ丁寧に片付けていくのが基本だろう。
修復が終わって放牧場を去るとき振り返ると、風車とトチノキとヤギ小屋がいい感じで並んでいた。