「コハルが座ったままで震えている」というヤギ部のMさんからのLINEがあった。
私はこのところずっと心配していたコハルの状態に「これはただ事ではない」と思い、急いで大学まで行った。片手に”貼れるホッカイロ”と、反対の片手に私の紺色の古着(ジャケット)を持って。
途中、スーパーで白菜も買った。
コハルとは10年以上の付き合いだ。私なりにコハルのことは知っている。
白菜を食べさせ、ホッカイロを貼った古着を”着せて”やった(袖を腹に巻いて結べばちょっとしたヤギ専用の着物だ)。
しばらくすると小屋から外へ出てそれまでにはなかった力強い足取りで歩き出した。
他のヤギたちが「あんただけいいなーー」みたいな感じで近づいていた。
来年の春までは無理な気がする。
部員たちはホッカイロを貼りかえる当番まで決めて、懸命に回復させようとしている。奇跡が起こるかもしれない。