写真は、コハルが死ぬ5日前の写真だ。それから5日後、コハルは死んだ。1週間前のことだ。
急に体調が悪くなったことはブログに書けたのに、死んだことはなぜか書けなかった。
考えてみれば不思議な話だ。
コハルとは10年以上触れ合ってきた。
われわれは、生きている間に、さまざまな出来事を体験し、膨大な文章や映画のように、ノンフィクションドラマを脳の中に記録しながら生きている。その映像の中の一場面でコハルは、私を見ると近寄ってきて、ズボンに角の付け根をこすりつけてくる。角の付け根がかゆいからだ。私はそのままにさせておき、もう一本の角の付け根をかいてやる。
今という瞬間も刻まれている脳の中の記録が人生そのものなのに、いなくなるとどうして・・・。