昨日、生物部の部長さんたち2年生が新入部員の1年生をつれて大学の北の林を散策した。私は顧問としてガイド役みたいなものを頼まれたので一緒に行った。
とてもよい天気で、部長さんのKaさん曰く「散策日和」だった。
1年生は20人ほどいて、ある場所で止まって、全員に「どんな動物が好きか」聞いてみた。そういうのって、聞くほう(私)はなんかうれしいよね。私はイヌが好きだけど、誰かがイヌを飼いたいのだけれどどんな種類がいいかなーなどと相談にくると、もうこっちが興奮して勝手にいろいろしゃべり、もう相談者は数時間は私のところから帰れない・・・・それと似たような感じ?
20人の若い動物好きを前にすると、「おーっ、おるわおるわ!」、 動物好きがおるわ! 圧巻である。一人一人の答えを聞いていくと、「君ら、ほんとうに動物が好きなんだねー。どーしてそんなことになったの」みたいな気分になる。 お前にだけは言われたくない!と言われそうだが、もちろん、そんなことは十分わかったうえで、もう共感で心が張り裂けそうなのだ。
アカハライモリや、今回は珍しくタゴガエル、森に仕掛けられた人工巣に定着したニホンミツバチ・・・・いろいろな動物たちに出会い、そして私にとって一番印象に残ったのは、Koさんが見つけたアリである。何匹ものアリが互いに集合して、つかむと納豆のようにみんなが塊になってくっついてくる。
私はこれまで、春先の大学の林での実習で、何度もこのアリたちを見ていた。そのつど学生たちはすげーと言いながら見入っていたが、私はそのアリの名前を知らなかった。
アリの種類の多さを考えると、ちょっと調べたくらいではわからないに違いないと思い、そのままずるずると、知らない状態が続いていたのだ。
でも今回の散策では、なにせ動物好きの集団だ。注目の仕方がちょっと違う。私も深くかかわらざるを得なかった。そしてそのアリたちとしっかり向き合ってみた。
誰かが「背中に棘ある」と言ったので(さすがに動物好きの集団だ。よく見ている)確かめてみたら、本当にそうだった。
背中に、先が二股になった棘のようなものがあった。へーーっ。
その後、みんなで、かれら(アリたち)は何をしているのか?とうやって互いに体をくっつけ合っているのか?などについて、アリに噛まれながら話をした。
個人的にとても興味を持ったのは、誰かが発見した(確か、シロクマが好きだと答えた男子学生だったと思う)、次のような事実だ。
なんとアリは、尻から糸を、糸を!出していたのだ。
ちなみに、後で、(今度は)アリの名前を調べてみたが、名前はそのすぐわかった。
トゲアリ・・・だ。そのまんまではないか。
そしてこのトゲアリは、日本に2種しかいないトゲアリの仲間の一種であることが分かり、かつ!、次のような習性もわかった。
トゲアリは、クロアリなどの巣を襲撃し、クロアリの女王の体のニオイを自分の体につけて、他のクロアリを操作するのだそうだ。つまり、他のアリの集団に寄生するということだ。
”塊”は、おそらく産卵をしていた場面だと推察される。
以上はネットと事典を調べて分かったことだが、でも、「尻から糸を出す」という習性の記述はどこにも見当たらなかった。新知見かも?
このようにして散策は続いていったのだが、イヤ、動物好きのホモサピエンスの、里山における行動も実に興味深かった。それについての話は、また別の機会に。
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