2016/05/07

懸命に生きるカナヘビに子守唄

これは先日、本当にあった話である。

私の家の庭先の畑に、カナヘビが、地面に体を横たえて休んでいた。
そのお腹の具合から(写真をご覧いただきたい。けっして満腹ではない。腹部のシワがそれを示している)、空腹を抱えて餌を探し回り、一時、疲れた体を休めていることがうかがえた。

私は、思わず、私のとっておきの子守唄を口ずさみながら(子守唄といっても既存の子守唄ではない。その時その時に、それぞれの動物に合わせてささやくように、多少のメロディーをつけて声をかけるのである)、カナヘビに近づいて行った。
日々の厳しい生活の中で、ほっとする機会をもった同じ仲間としての共感がそうさせたのである。

するとどうだろう。
カナヘビは、少しずつ目を閉じはじめ、最後は、気持ちよさそうに、寝入るように完全に目を閉じたではないか。

ああ、私の即興の子守唄にそんな力があったとは。
私は自分の力に感動し、静かにその場を立ち去ったのだった。

ちなみに、最後にカナヘビの尾を確認すると(一番下の写真)、思った通り何度か切れて苦労して再生している状況が確認された。
しばしば庭に来て寝そべっているあのネコが怪しい。

でもネコも私も含めて、みんな懸命に生きているのだ。命の本質がそこにある。かりに力尽きても、それはけっして単なる無様な死ではないのだ。私は人生に、改めてそういう意味付けをしたのだった。

ジャーーーン


 

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