上の写真は、先日、鳥取県と岡山県の県境、右手峠の谷川の住人、カワヨシノボリである。
いかにも私に向かって威嚇しているような姿である。
実際、ヨシノボリの仲間は、雌の産卵場所として雄が一生懸命水底に掘る穴をめぐり、雄同士が口を大きく開け合って威嚇しあう。
ところで数年前、「魚は痛みを感じるのか?」という本がアメリカの生物学者ブレイスウエルトに出版され、世界中で話題になった。
「”自分”以外の動物が痛みを感じるかどうか」なんて、自分以外にどうしてわかるのか。
もちろんそれは不可能だ。でもわかりやすい例で言えば、たとえば、次のような実験で、間接的にその可能性の高さを示すことはできる。
ハツカネズミに、腱鞘炎を起こ薬を与える。
果たしてハツカネズミは四肢に痛みを感じているだろうか?
まず、ハツカネズミが好む砂糖水を入れた容器を2つ用意し、一方には鎮痛剤と苦い味の物質も加えておく。すると腱鞘炎ではないハツカネズミは砂糖だけの水しか飲まないのだが、腱鞘炎を起こす薬を与えられた個体は、鎮痛剤と苦い味の物質も加えられた水も飲むようになる。
魚でも同様なアイデアに基づいた実験(少々複雑)が行われ、「痛み」を感じている可能性が高いことが示されたのだ。(もし魚の痛みを配慮すれば、養殖場などでの設備や魚の扱いは変更を迫られるだろう)
さて、上の写真・・・魚は私に怒りを感じているのだろうか。
そしてその可能性を調べるよい方法はないものだろうか。