上の写真は、1か月ほど前、大学の建物の中で見つけたヤママユガの仲間だ(種名まではわからない。この写真を撮った直後に外に逃がしてやったので)。
私の目はこの蛾の翅のある部分にくぎ付けになった。
右上の翅の部分だ。
その部分だけ鱗粉がはがれて通常は見られない鱗粉の基部の模様が現れている(通常はこの模様にわれわれが気づくことがないことは、左上の、鱗粉がはがれていない部分をみれば容易に想像できる)。
その模様が、なんと○と△の幾何学模様ではないか!
その部分を拡大したのが下の写真だ。
私はすぐに外に逃がしてやったのだが、蛾にはかわいそうだがなぜ体全体の”鱗粉の基部”模様を調べなかったのか(○△模様が他の部分にも存在するのか、この部分だけなのか、を)、悔やんでる。
この事実の重要性は以下の2点だ。
(1) 実際の、はっきりした目玉模様が進化するとき、実は前段階があって、まずは、基部において目だも模様の基礎ができており、そこに、鱗粉の色の変化が起こって”はっきりした目玉模様”が誕生したのではないか。そんな進化のストーリーを想起させてくれる。
(2) その後、数匹のヤママユガの翅を調べたのだが、例えば、下の写真のように、○△のような基部模様は見られなかった。種が異なるのか、個体ごとの特性なのか(後者はちょっと考えにくい)。ひょっとすると現在同一種と考えられているものも○△のあるものとないものがあって、系統的に別種なのかもしれない。
もうヤママユガの季節は過ぎ去った。
来年、覚えていたらぜひ調べたい。
あるいは、・・・・
もし、このブログを読んでいる方のなかに虫屋さん、特に蛾の研究者がおられたら教えていただきたいのだ。この事実はすでに分かっていることなのか。そしてもし分かっているのならその内容を。
なんか最近、ヤママユガ関係の記事が多かったりして。