左はグレ、右は小さい小さいイワガニ(こんな小さなイワガニはなかなか見つからない。もちろん私が見つけた)
長い間、波に削られた岩が見事な造形を見せる、岩場の海岸だ。
ちょっと残念だったのは、行ったときがちょうど満潮と重なり、風も強く、いつもなら、動物達を探して散策できる岩場に降りられなかったことだ。
それでも、小さな湾で、カニや魚、イソギンチャクなどをとることができた。
上の写真は、その時に捕れたグレ(海の魚に詳しいKくんが教えてくれた)だ。
さて、私には、岩度海岸でなんとか採集したい動物があった。
それは、5,6年前からゼミ室に置いている海水性の動物達の水槽に是非入れたいと思っていた「イソギンチャク」である。
その水槽には2匹のクマノミが棲んでいるのだが、クマノミといったらなんと言ってもイソギンチャクだ。クマノミとイソギンチャクの共生は有名だ。
イソギンチャクの、頭というか、口というか、まー体の上の触手に、あたかも、鳥が自分の巣の上にうずくまるような感じで、体をこすり付けるようなしぐさをするクマノミが見たかったのである。
でも、イソギンチャクの採集はこれまで成功したことがなく(岩の割れ目などに深く入り込んでいる、足というか、腹というか、まー体の底面をうまく剥がすことができなかったのだ)、今度こそ、ある秘密のテクニックを使って持ち帰りたいと思っていたのだ。
もちろん、教育者としての立場から、学生諸君に有意義な体験をしてほしいという気持ちが一番だったことは言うまでもない(ホントは二番でした)。
風は強かったが、晴天の小春日和の海岸はとても気持ちよく、動物捕りに夢中になる学生や、岩場の上で昼飯やおやつを食べる学生など、それぞれの性格が出ていて、とても楽しかった。
さて、収穫された動物の中から水槽に入れる動物として選ばれたのは、小さいグレ、小さい小さいイワガニ、そして二匹のイソギンチャク(!)である。
今のところ、イソギンチャクは二匹とも、水槽内の岩のくぼみに体を入れて、環境に馴染んでいるような顔をしている。
そして問題はクマノミだ。
二匹のクマノミは、もちろん興味があるようで、近寄ってはくるのだが、まだ、“巣の中にうずくまる鳥”にまではなっていない。
でも私は、彼らの様子から、私が待ち望んだ光景が見られる日がくるのは、そう遠くない、と確信している(「先生の確信ほどあてにならないものはない」と言う学生たちからの声が聞えるようだ)。
オシマイ
水槽の中で落ち着いているイソギンチャク(矢印のところにいる)とクマノミ
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