うむーっ、ちょうど上の写真くらいの視野の状態だったろうか(いやもっと離れていたような気もする)、出勤して駐車場から大学の建物に入る途中で、私の目は、視野の中のある一点に注目したのだ。
その一点とはどこか(なにか)?
それを下にアップでお示ししましょう。
何を隠そう、これは・・・ヘビの尿と糞(左側の白いものが尿、右端の黒いものが糞)なのだ。
つまり、どこかで餌(糞の状態から餌はアカネズミなどの小動物だと思われる)を食べたヘビが(おそらくアオダイショウだと思う)、ここで糞尿をしたということだ。
そして、なぜ私がヘビの糞尿に目ざとく反応したのかというと、それには理由があるのだ(それはそうだろう)。
理由は2つある。
一つは、「これまで、そんなキャンパス内の道路で、ヘビの糞尿など見たことがなく、初めての体験だったから」という理由。
そしてもう一つは、「私が研究しているシベリアシマリスは、ヘビのニオイがする、ヘビの体や脱皮殻、そして糞尿に出会うと、それらを齧りとって自分の体に塗りつける(!)ので、かつて、自然界でどれくらいのヘビの糞尿が見つかるのか探し回った経験がある」という理由(つまり、私の目と脳は、ヘビの糞尿にはとても敏感になってしまっているということ)である。
ちなみに、シマリスのその行動はSSAと名づけられ、私がはじめてシマリスで発見したあと、アメリカや中国の数種のリス類、ネズミ類でも行うことがわかった。そして、SSAの適応的意味は、体にヘビのニオイをつけた個体は、ヘビからの攻撃を受けにくくなることであることも分かった。
シベリアシマリスの、麻酔されたアオダイショウへのSSAの写真を下に載せた。なかなか味わい深い行動だろう。
私が、キャンパスの道路で、ヘビの糞尿を見つけて、座り込んで眺め回し、写真を撮っているとき、その傍を、二人のホモサピエンスが通り過ぎた。
なるべく関わらないように通り過ぎようとする雰囲気がヒシヒシと伝わってきた。そりゃあ誰だって、変人には関わりたくないだろう。
でも、声をかけてきてくれたら、私だって、ちゃんと、なんで私がそんな奇行を行っているのか説明したのに、・・・。それも大変な迷惑だったりして。
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