私の勤務する鳥取環境大学ができた年、私は一羽のドバトに出合った。
大学の図書館の窓に衝突し、飛べなくなった、まだ幼いドバトだった。
それから14年、ホバと名づけたそのドバトは、自宅や大学で過ごし、昨年の夏、大学で息を引き取った。その間、巣作りの行動の一端である、巣材集めを続け、100個以上の卵(無精卵であるを産んだ)。上の写真がその最後の写真になった。
それから数ヶ月が過ぎ、大学に、2羽(雌雄)のドバトが棲みつき、現在、巣でもつくりそうな様子で過ごしている。
駅で増えすぎているドバトのようになっては困るなと思いながら(おそらく餌が放置されたりはしないから、まず、そんなことにはならないだろう)、私は、ホバと入れ替わるようにやってきたそのドバトたちを毎日、特別な思いをもって見ている。
そんなドバトたちをめぐって最近興味深い出来事が相次いでいる。
今日はそのうちから一つを選んでお話したい。
二羽のドバトは仲むつまじく一緒に行動している(a)。一羽が飛び立つともう一羽もついて飛び立つ(b)。一羽が、建物の中が気になって窓の隙間から覗くと、もう一羽も覗く(c)。
ところが、最近、どこからともなく、人に飼われていたと思われる雌のドバト(緑色の足環がついている)が現れ、大学で暮らすようになった(d)。
人をあまり怖がらず、私が近づいてもあまり気にしない。
私もときどき出会うと挨拶しているのだが、その足環ドバトが、番のドバトに接近しはじめたのだ。それも、特に、雄に近づこうとするのだ。
ある朝、大学の駐車場で車を降りて建物のほうへ歩いているとき、ちょうど、番を見つけた足環ドバトが、そのほうへ近づいていく場面に遭遇した(e)。
そして、私の心配どおり、足環ドバトは、番の雌雄が少し歯なれたとき、雄のほうへ急接近したのだ(f)。
すると、なんと、雄は、まんざらでもない様子で、足環ドバトに毛づくろいのようなしぐさを向けたのだ。
幸い、その後、雄は、足環ドバトから離なれ、番相手の雌の後を追っていったのだが・・・。
今後、どうなるのか。
ドバトたち皆んなの幸せを願う私としては、目が離せない。成り行きが心配なのだ。
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