暖かくなってきたせいだろう。草が生えはじめた家の庭に、カナヘビ(トカゲの一種である)の子どもが姿を見せた。
間違いなく昨年生まれた、まだ1歳未満の子どもである。
私がブログをはじめたのを知ってネタをあげるよとばかりに、紫のきれいな花の上でポーズをとってくれていたのだ。今朝、出勤しようと、車に乗りかけたときだった。
もちろん、車の傍のそんなカナヘビくん(雄だった)を私が見逃すわけがない。
ゆっくり近づいて1枚パシャ。また、1枚パシャ。
カナヘビは私を怖がらない。姿勢を変えず、じっとしている。
そのうち、初春のうららかさに心地よくなったのか、目を閉じてまどろみ(?)はじめたのだ。
なんと可愛いではないか。
私は、そっと体をつかみ(さすがにカナヘビは逃げようと体をくねらせたが、そこは動物の扱いは得意な私である)、手の平に仰向けにして置き、魔法をかけた。
カナヘビは、仰向けのまま、ピタッと固まった。全く動かない。
皆さんもやられてみるといい。
これは、カナヘビ意外にも、他のトカゲ類でも、鳥類でも行える“魔法”である。
仰向けにして、腹をゆっくり押さえていると、動物の動きがピタッと止るのだ。
ちなみに、「なぜ、こんな反応が起こるのか? その動物にとってどんな利益があるのか?」についてはまだよく分かっていない。
皆さんは、「擬死」という、動物の行動をご存知だろうか。
昆虫などが、敵に襲われたとき、死んだように静止する行動である。
哺乳類でも、タヌキやオポッサムなどで知られており、俗に「死に真似」とか(タヌキのときには)「タヌキ寝入り」とか言われている行動がそれである。
敵が激しい攻撃をやめる効果があるのではないか、と推察されているが、カナヘビなどのトカゲ類や鳥類がかかる“魔法”も、同じような効果があるのでは、という説もある。
まー、今日は、そんなことは考えまい。
魔法にかけられたカナヘビの子どもは、眼球を動かすことはないものの、しっかり目をあけて、「体がう・ご・か・な・い」みたいな表情で私を見ていた。
もちろんその後、私は魔法を解いて、子カナヘビをもとの花の上においてやった。
彼は、飛び跳ねるように逃げていった。
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