タイトルの「三度」は「さんど」と読んではいけない。「みたび」だ。
以前、このブログで、「最近、羽音がしない蚊が増加しているかもしれない」という話を書いた(これが一度目だ)。
羽音をたてない蚊!?
羽音をたてない蚊!?へのresponse
ちなみに、一度目の話のとき、“羽音をたてない蚊”の参考にと思って、カリフォルニア大学の進化生物学者マーリン・ズックさんが発見し注目を浴びた“翅の構造が変化して、求愛音が出なくなったコオロギ”の話をした。
ちょっとおさらいをしておくと、・・・・、
鳴き声を手がかりにして宿主を見つけ出す寄生バエが猛威を振るう中で、それまでの、鳴き声で雌コオロギに求愛してた雄コオロギが、鳴かない雄になった、という内容だった。
“鳴かない”というのは、もちろん雄の意志でそうしているのではない。遺伝子の突然変異の結果、翅の、音を生み出す部分が「櫛状」から「平ら」になり、鳴くときと同じように翅を動かすのだけれど、音が出ないということである(求愛は、鳴き声とは別の方法で行うようになったのだ)。
そしてこの変化(進化と言ってもいい)は、わずか5年程度で起こったらしいのだ。
さて、私はこの数日、研究室で慣れないデスクワークをしていて、腕に何度も痒みを感じ、一方で、黒い蚊らしきものが飛んでいるのを目にしていた。
聡明で思慮深く科学的好奇心に満ち溢れた私は、これだ!チャンスだ!と思ったのだ。
これこそ“羽音をたてない蚊”に違いない、捕獲して正体を暴いてやる!と思ったのだった。
腕を机の上に置き、じーーっと待つこと数十分、私の用意周到な計画にはまって、音もなく(!)1匹の蚊がやってきて、警戒しながら旋回し、やがて腕に着地し、血を吸いはじめた。
私は、ゆっくりと腕を机から持ち上げ、用意していたビニール袋にゆっくりと腕を入れ、素早く腕を振って、蚊だけを中に残して袋をとじた。すばらしい。
蚊は袋の中で悔しがっているに違いない。
私は科学的な意義を優先させ、かつ、蚊に苦痛を与えず天に昇ってもらうため、袋を冷凍庫の中へ入れた。
そして、数時間後、“羽音をたてない蚊”を、翅の構造に注目しながら顕微鏡で調べたのだ。その結果、驚愕の事実が明らかになった!
下の写真がそれであるが、どこが「驚愕か」、それはまた先のブログで。
多分、驚愕だと思うのだが・・・・。