皆さんは「アグリフォレストリー」という言葉を聞かれたことがおありなるだろうか?
「アグリフォレストリー」とは、日本語では「農林複合経営」と訳される農法の一形態だ。
樹木の間に畑をつくり、樹木からの恵み(果実や木材など)と畑の穀物の恵みの両方を得ようとする農法で、世界のさまざまな地域で伝統的な農法として営まれてきた。
一方、近年、環境問題の進行に伴ない、この農法が見直されている。
その理由の一つは、それが、森を広範囲に破壊することなく、森の生態系の力を味方につけて行う農法だからである。
森の木々から落ちる葉や枝は、作物にとっての(有機)肥料になり、森に棲む昆虫をはじめとする動物が形成している食物連鎖を中心とした生態系は、作物を荒らす害虫が大量に発生するのを抑制する(そこには、その害虫の捕食者が必ずいるからである)。
さらに、森の地面は、木々の根などの力によって保水や保土がなされ、降った雨を長く耕作地の地面に保っておいてくれたり、激しい雨や風によって土壌が流れてしまうの防いでくれるのだ。
確かに短いスパンで見たときの収穫量は近代的な農法にかなり負けるが、長い目で見たときの収穫量や、なにはさておき、安全で環境を保全するという意味で、潜在的に優れた要素を秘めた農法だと言える。
ちなみに上の写真は、わが家(借家だけれど)の庭の作物である。
そしてこれらの作物は、森ではないが、雑草と呼ばれる自然植生と混じって育ち、実をつけているのだ。これはアグリフォレストリーの親戚にあたるアグリナチュラルフィールド農法なのだ(今私が思いついた名だ)。
このようにして育ったナスビやピーマンやミニトマトは、確かに野生の味がして美味しいし、害虫は、雑草の中に潜んでいるカマキリなどが捕食してくれる。
もちろん、意識してこうなったのではなく、手入れが間に合わずにこうなったのだ。でも、そのおかげで私は、アグリナチュラルフィールド農法を発見することができた。素晴らしい。
まー、いろいろとご意見もあるでしょうが、ここは一つ寛大な心で。
オヤスミナサイ。