大学の駐車場の境界に育つケアキ(成長不良で上のほうには葉がなく私はちょっと心配している)の枝に、今日は朝から何度もイソヒヨドリの姿を見た。そして尾を振りながら独特の声で鳴くのである。ちなみに、このイソヒヨドリ、ここ数年の私の注目動物の一つだ。ここ数年の間にあれよあれよという間に、ヒトの居住地に生息域を広げ、大学でも2番が明らかに繁殖している。
私の”当たるも八卦当たらないも八卦”の推察によれば、あと数年後には、イソヒヨドリが以前のスズメのようなとても身近な鳥になっている可能性が高い。
これだけ同じ場所に姿を見せ、そして鳴くということは、彼らの人生ならず鳥生のなかで重要な意味があるのだと思い、私も、何度もその場に姿を見せ(決してコバヤシは暇だ、とは思ってはいけない。大変な仕事の合間を縫って何とかやってきているのだ。野外ケージのモモンガたちも、飼育室のコウモリたちも、放牧場のヤギたちも、それとそれ以外の2,3の動物たちについてもそうだ。とても忙しい仕事の、ちょっとした合間を縫って何とか見に行っているのだ)、様子を観察していた。
そして私は、イソヒヨドリがいつも口に虫をくわえていることをに逃さなかった。
そして私は次のような仮説を立てたのだ。
イソヒヨドリ(たいていはオスだった)は、巣を出たヒナに餌を与えているのではないか。
もしヒナが巣にいるのなら、ケアキの上で鳴きながら油を売っていたりせず、すぐ巣のところに行けばよいではないか。
ケアキの上で尾を振り鳴いているのは、巣を出て近くに潜んでいるヒナに、自分が餌をもってきたことを知らせているのではないか・・・・そう推察したのである。これまでの私の野生のたくさんの経験がそんな可能性を私に告げていた。
そして、何度目かの観察でその推察は当たっていたことが明らかになった。
イソヒヨドリが鳴いていると、ケアキの下の駐車場の一番隅に止めてあった車の影から可愛いヒナがちょろちょろと出てきて、それを見たヒヨドリは、さっと飛び立ってヒナのそばに降り立ち・・・・・。
あとは動画で見ていただきたい(いまいち見にくいが)。
このようにして私は、やがて彼らの保護になくてはならなくなる、野生生物の生きざまを、目と心に焼き付けているのだ。
私はとにかく忙しいのだ。