私はある!
先日、研究室で弁当を食べようとして、弁当が入っている手提げ袋を開けたら、中からトノサマガエルが飛び出してきたのだ。
びっくりしましたよ。マジ。
どうして弁当の横から、こともあろうにカエルが飛び出してこなくちゃならないのか!私の頭はしばし立ち尽くし、でも(悲しき私のサガで、)体はカエル捕獲に勝手に動いていた。そしてお縄になったのが上のカエルである。
しかし私も研究者のはしくれだ。”はしくれ”はちょっとしたいわゆる謙遜で、”思索の哲人”とたぶん周りから思われているかもしれない私は、ほどなく、弁当とトノサマガエルの謎をほぼ完ぺきに解くことになる。
その日の朝は、ゼミ生のKさんに、卒論で必要な、「強制嘔吐によるカエルの胃の内容物検査技術」を上達してもらうために、通勤途中にある田んぼの水路でカエルを10匹ほど捕まえてビニール袋に入れていたのだ。
ビニール袋の口を閉じ、空気を入れるために袋に、ペンで袋に穴を開けていたのだ。
私の推察はこうである。
袋の中のカエルたちが飛び出ようと跳ね回り、たまたま、私がペンを突いて開けて大きめになっていた穴があり、その穴から脱出したカエルが、私が弁当を入れていた手提げ袋に侵入していた(手提げ袋とビニール袋は、からめるようにして右手でもって、駐車場から実験室まで運んだ)。
弁当とカエルと強制嘔吐・・・・カエルも食べれば食べられないこともなく、食べた弁当も嘔吐で外に出ないわけでもなく、相互に密接に絡み合った一種のミステリーを私は見事に解き明かした、ということになるのだろうか。
まー、私くらいになると、これくらいの思索は特にお話しするほどの大したことではない。一つの軽い話題としてご紹介したまでのことだ。