私が住んでいる家の近くに、中腹に巨石が散在する山がある。
2月の寒い休日、私は、朝早く起きて、巨石の山(今、思いついた名前だが)に登った。
巨石の山は、一種の霊験を感じさせ、見上げる一つ一つの巨石が、私に何かを語っているような気持ちにさえなる。
ある巨石の脇を通ったときだった。
その巨石の足元に、結構大きな穴ができているのに気がついた私は、当然のことながら、中に入ってみたくなった。
何かすごい生物が見つかるかの知れない(世の中、何が起こるかわからない)・・・みたいな気持ちになったのだ。いつものことだ。
そして、中には何がいたか?
中にはなんと大きな大きな(ほんとうはそれほどでもない。でも結構大きい。ドッチヤネン)カタツムリが、側面の石に付いてじっとしていた。
きっと、そうやって冬を耐えていたのだろう。
私は、その岩が「カタツムリを連れて帰りなさい。つれて帰りなさい」と言っているように聞えて(ほんとうは、ひょっとしたらとても珍しいカタツムリかもしれない!と思って)、研究室までつれて帰った。
透明プラスチックの容器の中に入れ、食べ物として野菜を与え、飼育することにした。その間に、名前を調べようと思ったのだ。
ところが、カタツムリを飼いはじめて2日目、殻の模様を調べていて、誤ってカタツムリを床に落としてしまったのだ。
あわれカタツムリは、殻に一部が割れてしまったのである(人事のように言ったが、私が割ったようなものだ。床にも責任があると思うが)。
私は気持ちを切り替えて、その日から、カタツムリの殻の割れた部分はどのようにして再生するか、を観察することにした。
ある日、カタツムリの飼育容器の中の水入れに水を継ぎ足すのを忘れ、水入れから水がなくなっているのに気がついた。
急いで水を入れたやると、しばらくしてカタツムリが近寄ってきて、それはそれはすごい勢いで水を飲みはじめた(右下の写真がそのときの様子を撮ったものである)。ごくごくという音が聞えそうな勢いだった。
あんなカタツムリの姿はいままで見たことがなかった。
さて、殻の一部が割れて、一ヶ月以上すぎた昨日の、割れた殻の状態を、皆さんにも大サービスとしてお見せしよう。
下の写真だ!!
・・・・・・・・。
結論から言おう。
殻の割れには、全く変化は起こっていない。全く。
そうか、カルシウムの不足で変化がないのかもしれない。
明日から、卵の殻でも与えてみようか。
いろいろと考える私なのだ。
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